《神戸・男子高校生殺害事件》元少年、懲役18年判決不服に控訴「とことん戦う」父親・堤敏さん | ラジトピ ラジオ関西トピックス

《神戸・男子高校生殺害事件》元少年、懲役18年判決不服に控訴「とことん戦う」父親・堤敏さん 

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 神戸市北区の路上で2010年10月、堤将太さん(当時16歳・高校2年)を殺害したとして、殺人罪に問われた元少年(30・事件当時17歳 記事上は「男」と表記)が、懲役18年の一審・神戸地裁判決を不服として、6月27日に控訴した。

亡くなった堤将太さん<2010年8月 大阪・USJにて撮影>

 男は「(将太さんに対する)殺意はなかった」として、起訴状の内容を否認し、弁護側は善悪の判断が著しく低下する「心神耗弱」状態だったとして刑の減軽を求めていた。しかし神戸地裁は、精神障害はないと断定、完全責任能力を認めた。

判決前の神戸地裁・法廷<2023年6月23日 ※代表撮影>

 少年法51条には、犯行時18歳未満の被告について「死刑と無期刑を緩和する」との項目があり、
 罪を犯したときに18歳未満で死刑を選択する場合は、無期刑に刑罰が緩和される。
 罪を犯したときに18歳未満で無期刑を選択する場合は、有期の懲役か禁錮に刑罰が緩和される。その刑は「10年以上15年以下」。

 2022年には刑法12条が改正され、▼懲役は、無期及び有期とし、▼このうち有期懲役は、「1か月以上20年以下」となった。

 検察側は男の犯行態様の悪質性を踏まえて、無期懲役の選択もあり得ると述べたが、犯行時17歳だったことを鑑み、無期懲役ではなく有期懲役の選択を示した。その上で刑法12条に定めた上限として懲役20年を求刑した。

 神戸地裁は懲役18年という量刑について、「犯行当時の被告人が前科のない17歳の少年であったという事情は、非難の程度を考えるにあたって無視できない」と述べ、大きく刑を減ずることはできないが、一定の考慮は必要だとした。そのうえで「もっとも、人を殺してはならないことは犯行時17歳の少年であっても理解できないはずはなく、この事件を未熟さゆえの犯行などとみることはできない」と刑事責任の重さを指摘した。

判決を受け会見する将太さんの父親・堤敏さん<2023年6月23日>

 将太さんの父親・堤敏さんは、6月23日の判決後、「法律上、ぎりぎりの決断だったのかも知れない。本音を言えば、懲役18年で許されるものではないし、子どもを殺されてこの判決、とうてい納得できない。しかし、遺族としての気持ちは裁判員、裁判官に十分汲み取っていただけたと思う」と心情を語った。

 敏さんは、男の逮捕直後から、刑事裁判を見すえて「将太にとって最良の決着をつけたい」と話していた。「なぜ、命が奪われなければならなったのか、謝罪の意思はあるのか、必ず将太の無念を晴らしたい」と願っていた。

 そして判決の日。「仮に男が控訴した場合は、とことんまで戦う」と述べた。控訴を受け、「判決からわずか4日での控訴、男には反省や罪悪の気持ちがみられない」と話した。

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