―――再ブームの理由は?
【近田社長】 注文してくださるのは30~40代の女性が多く、子どものころ実家にあったことを懐かしんで今も自分の家に飾ってくれているのではないかと推測しています。デザインとしては新しいカラフルなものよりも、むしろシンプルな木の色でレトロな雰囲気のものが人気です。最近は「祖母が使っていた珠のれんを修理してください」と、思い出の珠のれんを持ち込んでくださる人もいます。
―――今後の展望は?
【近田社長】 最近は飲食店用にそのお店に合わせたカラーリングの珠のれんなど、昔ながらのデザイン以外も手がけており、より幅広いお客さんに手に取ってもらえるようにしています。私は現在78歳ですが、一緒に珠のれんを作ってくれている職人さんや今も使ってくれているお客さんのためにも、85歳までは現役を続けて珠のれんを広め続ける覚悟です。
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昭和に大流行した「珠のれん」。現在は、関西にあるたった1社によって守られていました。
涼しげな音と風通しのよさから、暑い夏のインテリアとしてもおすすめなのだそう。今年の夏は、懐かしの“あの”ジャラジャラを飾ってみるのもいいかもしれません。
※ラジオ関西『Clip』2023年7月6日放送回より
(取材・文=藤田慶仁)