手織りの繊細な模様が人気のペルシャ絨毯。ペルシャの伝統や文化などを反映したデザインは唯一無二で魅力的だが、「ペルシャ絨毯の店というと“うさんくさい”と思われがち」と話すのは『絨毯ギャラリー』(神戸市東灘区・六甲アイランド)の代表・大熊直子さん。
![手織りのペルシャ絨毯](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2023/06/%E6%89%8B%E7%B9%94%E3%82%8A%E3%81%AE%E3%83%9A%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%A3%E7%B5%A8%E6%AF%AF.jpg)
☆☆☆☆
同店はクラシックなペルシャ絨毯のほか、最近人気が高まる遊牧民の織物(ギャッベ)を販売している。ギャッベは「ゾランヴァリ」というブランド品を扱い、スタッフが何度も現地であるイランを訪れデザインや色合いなど日本人の好みに合わせた逸品を直接工房から買い付けている。大熊さんは先述した“負のイメージ”を払拭すべく、業者を対象にして手織り絨毯の専門知識を学べる塾を主催している。
![絨毯ギャラリーの店内](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2023/06/%E7%B5%A8%E6%AF%AF%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%BA%97%E5%86%85.jpg)
その塾とは少数・個別指導型の養成講座「シルクロード絨毯塾」。ここで学び、すべての課程を終了した塾生が「手織り絨毯アドバイザー」という資格を得られる。10日間ほどの合宿があり、日本で勉強した後にイランの現地研修を受け最終テストに合格する必要がある。全国にいる絨毯アドバイザーは80人ほどだそうだ。「絨毯ギャラリーのスタッフは手織り絨毯アドバイザーの資格を持ち、イランの手織り絨毯について歴史・技術をしっかり学んだ上で接客にあたっています」と大熊さんは胸を張る。
![様々な産地の絨毯が揃う](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2023/06/%E6%A7%98%E3%80%85%E3%81%AA%E7%94%A3%E5%9C%B0%E3%81%AE%E7%B5%A8%E6%AF%AF%E3%81%8C%E6%8F%83%E3%81%86.jpg)
現在店舗に在籍する手織り絨毯アドバイザーは5名。そのうちのひとりが、アドバイザー歴10年の中谷駿介さんだ。中谷さんは同店で働き始めたあと、シルクロード絨毯塾に学んだ。現地研修での遊牧体験や有名工房巡りといった経験、顧客との会話の中でペルシャ絨毯の魅力にハマっていったのだそう。
中谷さんは、ペルシャ絨毯の魅力は長い歴史と多種多様な柄が存在することだという。街中の工房で織られる機械のように完璧に近いものもあれば、遊牧民が織る素朴でユニークなものもある。遊牧民が絨毯を織る姿を現地で見た際には、緑もほとんどなく高い木々がない中で色とりどりの絨毯を織る姿に驚いたのだそう。「彼らが何も図案がない中で、周りの風景や頭の中のイメージを膨らませて『こんな生活ができたらいいな』と思い描く楽園を織ったりするような絨毯がたくさんある。そういうものを見ていると心が癒されます」と中谷さん。
![手触りも良い絨毯](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2023/06/%E6%89%8B%E8%A7%A6%E3%82%8A%E3%82%82%E8%89%AF%E3%81%84%E7%B5%A8%E6%AF%AF.jpg)