夏が近づくと目や耳にするKINCHOのCM。そのユニークさに、思わず観たり聴いたりしてしまうという人も多いのではないでしょうか。このほど、CM制作関係者がラジオ番組に生出演し、聴く人にインパクトを残すラジオCMについて、熱い思いや制作秘話を語りました。
毎年話題になるKINCHOのラジオCMですが、今年6月は「キンチョウ蚊対策シリーズ『マスクをはずして』」をテーマにした6シリーズが公開されました。シリーズごとに一つの商品が紹介される趣向です。7月には新たに『金鳥美術館』の5シリーズが放送されています。
今回、CMの裏話を明かしてくれたのは、KINCHO(大日本除虫菊株式会社)宣伝部として全国の放送局に出向き、さまざまなラジオ番組に出演している小林裕一さんです。実は大のラジオ好きという小林さん。移動中など、聴けるときは常にラジオを聴いているのだとか。聴取番組も、勤務エリアの関西のみならず全国の放送局にわたるそうです。
――CMは小林さんが考えているんですか?
【小林さん】 外部のCMクリエイターの方々に案を考えていただいて、それをこちらでどうするか判断させてもらってます。まあ極端に言えば首をたてにふるか、横にふるかで決まるという(笑)。
――KINCHOのCMって、変な間が入っていたりして、最初は何のCMかわからないんですよね。「あれ、これ何の会話?」と思って聴いていると、最後にやっと「あ、KINCHOか!」となる。これは狙っているんですか?
【小林さん】 狙っています。ラジオから流れてくると、「あれ?」と思うじゃないですか。間の無駄づかいというか、この無駄な間があるからこそ気になって聴くと思うんです。最後60秒まで聴いてやっとKINCHOのCMだとわかるようにすることで、印象に残るんですよね。
――ラジオがお好きとのこと。ほかとは違ったCMを作られている印象ですが、ラジオを聴いているなかで「こういうCMを作りたい」と思われたのですか?
【小林さん】 案そのものは外部のスタッフによるものですが、私がラジオ好きだからというのは大いにあると思います。というのも、毎日ラジオを聴いていると「同じようなCMが多いな」とよく思うんです。
テレビもそうですが、そもそもCMは“邪魔もん”という考えがあるんですよ。かつては「CMがトイレタイム」なんて言われていたこともあるくらいですし。「じゃあ、我々は何のためにCMを作っているんだ」と。
CMを聴いてもらうためには、「CMそのものを楽しくしよう」「もっとおもしろく、コンテンツとして成り立たせればいいのでは」と考えています。