兵庫県明石市で2001年、花火大会に訪れた大勢の見物客が歩道橋上で転倒し、雑踏の中で11人が亡くなった事故は、7月21日に発生から22年を迎える。
事故の状況や教訓を伝えるパネル展が「あかし市民広場(明石駅南・パピオスあかし2階 )」が、18日に始まった。21日まで。
明石市は事故発生日を「市民安全の日」とし、歩道橋事故と、同年12月に起きた大蔵海岸・砂浜陥没事故を教訓に安全について考えてもらおうと、2013年からパネル展を実施している。
35枚のパネルには、事故当時に歩道橋周辺で人が密集している写真のほか、再発防止のための安全対策や市の取り組みなどを展示。
今年は韓国・ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)で2022年10月29日に起きた雑踏事故(158人死亡)の様子についても、新たに紹介している。
■韓国の遺族へ”ひとりじゃない”下村誠治さん
事故で当時2歳の次男・智仁ちゃんを亡くした下村誠治さん(64・神戸市垂水区)はいつも、ラジオ関西の取材に 「事故の風化そのものは仕方がないかも知れない。しかし安全安心の意識を風化させてはいけない」と話す。
そして、コロナ禍を乗り越え、各地でさまざまなイベントも再開し、にぎわいを取り戻しているのは良いことだとしつつも、警備対策の不備や油断を生じさせてはいけないと警鐘を鳴らす。
韓国・梨泰院事故の遺族とも交流を続ける下村さんはパネル展に訪れ、「国は違えど、遺族の思いは一緒。最愛の家族を失い、これからどう生きていくのかという辛さを聞き、私たちと一緒に前を向いて歩んで行きたい。そして、韓国ならではの再発防止や減災につながれば」と願った。