15日にヴィッセル神戸と双方合意の上で契約解除となり、退団が決まった元U-21スペイン代表MFセルジ・サンペール選手。翌16日、ヴィッセルのホームゲームで退団のあいさつを行い、約4年半を過ごしたクラブに別れを告げました。当日はサンペール選手のチャントが鳴り響き、試合後にはチームメイトから胴上げされた背番号6。サポーターからは、プレーだけでなく人柄のよさも魅力だった彼の退団を惜しむ思いや、これまでのヴィッセルへの貢献に対する感謝の声が聞かれました。

16日のノエビアスタジアム神戸場外で、J1第20節サガン鳥栖戦の試合前に、背番号6のクリムゾンレッドのユニフォームを着たサポーターを直撃しました。

「敵に近づかれても、テクニックで相手をいなすところなど、そういったところが大好きでした」と、サンペール選手の印象を語った男性サポーターは、プレーで一番思い出深いことについて、「古橋亨梧選手(現、セルティック/スコットランド)とのコンビネーション」を挙げ、「サンペール選手のスルーパスから古橋選手が得点を決めたところが、すごく印象に残っています」と回答。「神戸に約4年間でしたが、来てくれてありがとうという感謝の気持ちと、次の新天地でもサンペール選手らしいプレーをしてほしいなと思います」と、メッセージを送っていました。
また、別の男性サポーターは、「今シーズンまだまだ活躍してほしかったので……途中で退団という形になったので、すごくさみしい気持ちでいっぱいです」と本音を吐露。この4年半の印象的な思い出としては、「(トーマス)フェルマーレン選手らがいたとき、2019年シーズンのプレーが印象的でした」と、アンドレス・イニエスタ選手、ルーカス・ポドルスキ選手、ダビド・ビジャ氏らとともにヴィッセルを初タイトルに導いた、加入1年目の活躍をクローズアップ。
その天皇杯決勝では外国籍選手枠の関係でベンチ入りはならなかったのですが、それまでの貢献度が高かったこともあり、試合後、サンペール選手がチームメイトやゴール裏のサポーターとともに悲願の優勝を喜び合うシーンは感動的でもありました。
「一番すごいなと思うプレー? なんやろ……いっぱいあるからな……。でも、展開力があるので、1本のパスで(得点機の)展開を作ったときはすごいなというのが、一番印象深いですね」と語ったそのサポーターは、「神戸に来てもらって4年半くらい、すごくいっぱい活躍してもらったので、次のクラブでもしっかり活躍してもらって、またいい報告が聞ければいいなと思います」と、感謝とともに、今後の活躍に期待を寄せていました。

一方、ヴィッセル応援番組『GOGO!ヴィッセル神戸』(ラジオ関西)にもリスナーからサンペール選手への感謝のメッセージが届きました。
「サンペール選手の最後(退団発表時)のコメント『自分が持ち帰るのは、たくさんの美しい思い出ばかり』という言葉には心を打たれました。美しい思い出は何年経っても色あせることはないと思います。その気持ちを持って帰っていただくことは本当にうれしい。日本に、神戸に来ていただいたことに感謝しています。新たなステージでの活躍を応援していきたいです」
「(17日ホームゲームでの)冒頭での日本語でのあいさつは、ヴィッセル神戸サポーターへの思いの強さが伝わってきて目頭が熱くなりました。ゲームスタイルの変わった今は、けが明けからのコンディションもあり、なかなか出場機会に恵まれず、つらかっただろうと思います。サンペール選手には新たなところでまた輝いてほしい」