江戸時代の推しは?浮世絵から見る「花のお江戸ライフ」 神戸ファッション美術館 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

江戸時代の推しは?浮世絵から見る「花のお江戸ライフ」 神戸ファッション美術館

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 江戸時代を代表する芸術・浮世絵。当時の社会風俗を描いたものが多く、一目見ただけで物事を伝える「媒体」の役割を果たしていた。その浮世絵から当時のブームを探り、江戸っ子たちのライフスタイルをひも解く特別展「花のお江戸ライフ―浮世絵にみる江戸っ子スタイル―」が、神戸ファッション美術館(神戸市東灘区)で開催されている。2023年8月27日(日)まで。

初代歌川広重「東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景」 大判錦絵 天保4(1833)年頃
初代歌川広重「東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景」 大判錦絵 天保4年(1833)頃

 浮世絵は17世紀後半に始まり、明治期にかけて、広く庶民に支持された。初期は役者絵が多かったが、19世紀になると旅や食など庶民の関心を引くようなものも描かれるようになった。江戸時代を代表する芸術と言える。

 浮世絵展と言うと、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重など、作家ごとに作品を集めた展示が多いが、本展は、ペットやメークアップ、ガーデニングなど江戸っ子が夢中になったブームや趣味、娯楽といった切り口で作品およそ160点を紹介する。

二代歌川国貞「奥御殿 泉水遊覧の図」 大判錦絵三枚続 慶応元年(1865)
二代歌川国貞「奥御殿 泉水遊覧之図」 大判錦絵三枚続 慶応元年(1865)

 江戸時代、ペットとして人気があったのは猫、犬、金魚だった。当時は養蚕業が盛んになるにつれ、蚕を食べるネズミが増えたため、人々は猫を飼い始めた。浮世絵にも多く登場する。浮世絵は、見たものをそのまま描くのではなく、作者の想像が入っていたり誇張して描かれているものも多い。二代歌川国貞の「奥御殿 泉水遊覧の図」に描かれている金魚は「人面魚」。当時の役者の顔が描かれているという。また、金魚玉や全面ガラスの水槽は、当時の技術では難しかったとされるが、作品にはしっかりと描かれている。

歌川芳藤「小猫集まって大猫になる」 大判錦絵 弘化4~嘉永元年(1847~48)頃
歌川芳藤「小猫集まって大猫になる」 大判錦絵 弘化4~嘉永元年(1847~48)頃

揚州周延「徳川時代貴婦人之図 金魚水槽を見る図」 大判錦絵三枚続 明治28~31年(1895~98)
揚州周延「徳川時代貴婦人之図 金魚水槽を見る図」 大判錦絵三枚続 明治28~31年(1895~98)

 江戸時代に五街道が整備されると、参勤交代だけでなく庶民の往来も多くなった。旅行ブームを背景に生まれた風景画は、今でいう絵葉書のようなもので、富士山や城が描かれているもの多い。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 尾州不二見原」 大判錦絵 天保2(1831)年頃
葛飾北斎「冨嶽三十六景 尾州不二見原」 大判錦絵 天保2年(1831)頃
歌川貞秀「真柴久吉公播州姫路城郭築之図」 大判錦絵三枚続 文久2(1862)年
歌川貞秀「真柴久吉公播州姫路城郭築之図」 大判錦絵三枚続 文久2年(1862)
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