村上和美さんのお気に入り 兵庫陶芸美術館「デミタスカップの愉しみ」【R・ミュージアム・トーク3】 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

村上和美さんのお気に入り 兵庫陶芸美術館「デミタスカップの愉しみ」【R・ミュージアム・トーク3】

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【コールポート《メダリオンとジュール金彩(きんさい)カップ&ソーサー》1891-1919年】

「コールポートといえばジュール装飾です!こちらは金彩にターコイズ・ジュールが一面に施され、メダリオンに宝石、しかもピンク色のバックグラウンド。デコレーションケーキより甘く、宝石箱より華やかなデミタスです」

コールポート《メダリオンとジュール金彩(きんさい)カップ&ソーサー》1891-1919年 村上和美氏蔵
コールポート《メダリオンとジュール金彩(きんさい)カップ&ソーサー》1891-1919年 村上和美氏蔵

【ロイヤルバイロイト《薔薇のつぼみ形(ばらのつぼみがた)カップ&ソーサー》1902-1920年代】

「ロイヤルバイロイトのユニークな造形シリーズのひとつ。くるんと巻いた花びらが特徴的な薔薇のデミタスです。ソーサーまでも花びらを象(かたど)り、芳(かんば)しい薔薇の香りさえ感じられるほどの愛らしさです」

ロイヤルバイロイト《薔薇のつぼみ形(ばらのつぼみがた)カップ&ソーサー》1902-1920年代 村上和美氏蔵
ロイヤルバイロイト《薔薇のつぼみ形(ばらのつぼみがた)カップ&ソーサー》1902-1920年代 村上和美氏蔵

【ミントン《金彩女神(きんさいめがみ)とキューピッド図 パツィオパットカップ&ソーサー》1910-1920年】

「ミントンの銘品、アルボイン・バークスによるパツィオパットの女神像デミタスはティファニーによる特注品です。矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)時の経つことを忘れる幸せをかみしめます」

ミントン《金彩女神(きんさいめがみ)とキューピッド図 パツィオパットカップ&ソーサー》1910-1920年 村上和美氏蔵
ミントン《金彩女神(きんさいめがみ)とキューピッド図 パツィオパットカップ&ソーサー》1910-1920年 村上和美氏蔵

【ロイヤルウースター《金彩(きんさい)ジュール透かし彫りカップ&ソーサー》1880年頃】

「コレクターとしては『どうしてもいつか手に入れたい憧れの逸品』の一つです。透かし彫りの名工ジョージ・オーウェン(George Owen)による芸術作品。手にとって堪能できるのは至上の幸福ですが、同時に、次世代へと引き継ぐ事も大切な責務であると気付かされます」

ロイヤルウースター《金彩(きんさい)ジュール透かし彫りカップ&ソーサー》1880年頃 村上和美氏蔵
ロイヤルウースター《金彩(きんさい)ジュール透かし彫りカップ&ソーサー》1880年頃 村上和美氏蔵

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 村上さんご本人は、「子どもの頃、母がドリップ式で淹(い)れたコーヒーの豊かな香りを愉しみながら、小さなカップで飲むのを見ていたのが、『デミタス』の世界に魅了されるきっかけだったのかと思います」と、振り返っておられます。また、「自分でもコーヒーを飲む際に、使うカップによってなんだか味が違うようなことに気付きます」。そして、「いろいろ試してみましょうと、そこからコレクションの旅が始まりました。形の違い、素材の違い、絵柄や装飾も違えば、時代も違う。掌(てのひら)に収まるサイズの小さなカップ&ソーサーになんと多様な意匠のあることでしょう。アンティークやビンテージに拘(こだわ)ってしまうのも、その時代の作品が最も多様性に富み、デザインに凝っているからでしょう」と思い至り、デミタスカップを収集されることとなりました。さらに「集めたカップは実際に使って、飲み口や飲み心地などを感じて」いらっしゃいます。

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