近年、屋外で楽しめる趣味として人気の高いキャンプ。ただ、いざ始めようとするとテントなど道具を揃えるだけでも高額となり、特に学生にはハードルが高いのが実情だ。そこで、滋賀県草津市でアウトドアグッズのレンタルサービスを立ち上げた大学生がいる。『Varma(ヴァルマ)』共同経営者の濵田久友さん、堀江優太郎さんに話を聞いた。
現在立命館大学大学院1年生の濵田さんと堀江さん。新型コロナウイルスの流行は大学生活にも大きな影響を及ぼし、授業はオンラインに、サークル活動や友人との交流の機会も著しく減った。そんな中で出会ったのがキャンプだった。大自然の中で過ごす開放感、外で食べるごはんの美味しさ、少しずつ自分好みのギアを揃えていく楽しみを知り、いつしかキャンプは二人にとってかけがえのないライフワークに。新たな人との繋がりも生まれていった。
キャンプに魅了されていく一方で、趣味として始める難しさにも気づく。まずは初期費用が高いこと。テント・寝具・テーブル・チェア・照明・調理器具など、必要最低限の物を用意するだけでも20万円以上になる。レンタルサービスを利用しても1人あたり2~5万円程度かかることも多く、学生や初心者にとってはなかなか手が出せない。さらに、テントやタープの設営が難しいこともキャンプのハードルを上げる原因の一つになっているという。
「高性能のギアはコンパクトな分、いざ設営しようとするとテクニックが必要な物も多い。初めてテントを設置する際は数時間かかる場合もあります」(濵田さん)
誰もが気軽にキャンプデビューできる機会を増やしたい……そのために自分たちができることをしようと二人は起業を決意。キャンプ・バーベキュー用品などアウトドアグッズのレンタルサービス『Varma』を立ち上げた。
オンラインショップからの郵送サービスのみを行っている企業が多い中、顧客と直接コミュニケーションが取れるようにと、5月に実店舗をオープン。店舗型運営を採用したことについて、堀江さんは「初めてキャンプグッズを使うお客様に扱い方をアドバイスしたり、おすすめのキャンプ場を教えたりすることもできます。また、店の様子やスタッフの顔も見られるため、安心して借りられる点も店舗型の良さだと思います」と話す。学生をターゲットに、高品質なアイテムのレンタル料をできる限り低価格に抑えているのも特徴の一つだ。
さらに品揃えを充実させるべく、6月からはクラウドファンディングをスタート。今後は大人数用テントなどの導入も予定しており、集まった支援金を活用したいと考えている。「アイテムを購入する際にはスタッフ全員で話し合い、本当に良いと思える物を一つひとつ選んでいます。店には選りすぐりのキャンプギアが並んでいるので、実際に手に取って見ていただけるようにしていきたいですね」と濵田さん。リターンのプレゼントとして“ショップオリジナルTシャツ”なども制作中だ。
屋号の『Varma』はノルウェー語で「あたたかい」という意味を持つ。キャンプを通じて得た人と人との繋がり、心あたたまる時間をより多くの人に共有したいという二人の挑戦はこれからも続く。
※ラジオ関西『羽川英樹ハッスル!』2023年6月29日放送回、「ハッスル応援団」より
◆滋賀の大学生“キャンプの魅力”を伝えたい! キャンプ用品レンタル『Varma』
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