世界文化遺産・清水寺(京都市東山区)で、お盆の恒例行事「千日詣り(せんにちまいり)」が開かれている。
「千日詣り」の千日とは、無数のものを意味する。観音菩薩の功徳が1年で最も大きくなる縁日といわれ、この期間は1日の参詣で千日分の御利益があるとされる。
そして、清水寺本尊の秘仏・十一面千手観音にもつながるという。
同じような信仰の形として、東京・浅草寺(東京都台東区)でも毎年7月9、10日に「四万六千日(しまんろくせんにち)」と呼ばれる縁日が有名。この時期、浅草寺の境内では「ほおずき市」が開かれる。
新型コロナウイルスが5類に分類されて4か月。清水寺には国内外から多くの参拝客が訪れている。
国宝・本堂(国宝)の奥に位置する内々陣(普段は非公開)で、本尊が安置されている厨子の前で本尊を模した「御前立(おまえだち)」に手を合わせていた。
オーストリア・グラーツから訪れたカップルは、日本で3週間の滞在。「偶然、この時期(千日詣り)に来ることができた。本堂内部の神秘的な雰囲気が素敵だった。オーストリアにはない、日本の素晴らしい行事や風景に感動した」と笑顔で話した。