インターネットが普及し、いまや1人1台スマートフォンを片手に生活することが当たり前になりつつある。さらに、InstagramやYouTubeをはじめとしたSNS、IoT(Internet of Things:さまざまなモノがインターネットにつながる仕組み)などの発展により、デジタルマーケティングの市場規模は年々上昇し、今後も拡大していくことが予想される。そのなかで、業界をよく知るマーケターがラジオ番組を通じて、インターネットビジネスの今後について語った。
ラジオ番組『セケンテー/ぼくらは囚われない』(ラジオ関西)の7月29日放送回に出演したのは、Pivot Tokyo株式会社の代表取締役・武富正人さん。国内最大級のマーケティングカンファレンスを開催した実績を持つほか、現在は約3万人が訪れるイベントの主催者としても活動している。
もともとアナログの広告会社出身で、実際はインターネットの広告は得意ではないという武富さん。苦手とするデジタルマーケティングの世界で勝負するに至ったのは、ソニー株式会社の担当をしていたことが起因しているのだそう。1990年代当時、東京・秋葉原にはインターネットの発祥地とされる「秋葉原電気街」があり、インターネットに詳しい人は全員この地に集められていた。武富さんは、その秋葉原で開催された40万人規模にもなるインターネットショーのプロデューサーに就任した。
かつて、アジア最大級のマーケティングカンファレンス「ad:tech tokyo」(アドテック東京)に従事していたが、業界規模としても右肩上がりであった状況で突如引退した武富さん。あまりに突然だったこの出来事に疑問を呈したのは、番組パーソナリティーを務める連続起業家兼アーティストのCEOセオだ。
これに対し、武富さんは「外資系は6年以上やってはいけないという鉄則があった。そして、20代のころ、一番嫌だったのは、50代が張り切ることだった。張り切るのはいいけど、若者の場所を取ってはいけないと思って辞めました」と持論を明かした。
現在、アメリカのシリコンバレーに在住する武富さんいわく、「アメリカでは10年以上前から、マーケティングは女性に適しているといわれている」のだそう。「広告から購入までのすべてをインターネットで完結できるいま、きめ細やかにお客様と向き合い、どのようにして共感を得るかということが重要となり、それらは女性が得意としている」と熱く語った。
日本のインターネットビジネスについて、武富さんは「日本は遅れている」と断言。そのうえで、「日本人は“耐える力”が強い。『絶対にあきらめないぞ』という人がすごく多くて、危機になればなるほど忍耐力が強くなるようなところがある。なので、Web3.0(ブロックチェーン技術によって実現した分散型インターネット)をみんなで頑張るしかないと思う」と自身の考えを示した。
※ラジオ関西『セケンテー/ぼくらは囚われない』2023年7月29日放送回より
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『セケンテー/ぼくらは囚われない』
放送日時:毎週土曜日 20:00~
放送局:ラジオ関西(AM 558KHz / FM 91.1MHz)
連続起業家兼アーティストのCEOセオとフリーアナウンサー田中大貴がパーソナリティーを務める。