“ワクワクロックンロールバンド”をキャッチコピーとして掲げるワタナベフラワーが、7月30日、配信シングル『泣きなさんな/100年』をリリースした。そこで、同バンドのボーカル・クマガイタツロウのインタビューを2回にわたって届ける。第1回は、楽曲「泣きなさんな」の制作秘話や、曲を軸に進む壮大なプロジェクトなどについて聞く。
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■心強いサポートメンバー加入
クマガイタツロウ(Vo)、イクロー(Gu)、ムサ(Ba)にオフィシャルサポートのやっちん(Dr)を加えて活動してきたワタナベフラワー。そこに新たなオフィシャルサポートメンバーとしてichi(Key)が加入した。その影響は大きいかとの問いに、「そうですね。デモテープはichi君と作りました」とクマガイは答えた。
『泣きなさんな』では、楽曲のトラックに鍵盤(ピアノとオルガン)の音色が使用され、これが見事にクロスしながら楽曲のグルーブ感を生んでいる。ライブの演奏は難しいのではと聞くと、「ichi君はオルガンとピアノを同時に弾くという荒技を持っています」と、新メンバーの驚きの能力を明かした。
クマガイは、「ichi君が入ったお陰で、今まで出来なかったアレンジが色々できるようになった」と語る。結果、イクローのギターが自由になったと話し「実は、イクちゃんがバンドメンバーの中で一番ワガママ。僕じゃなかった」と笑った。
■右肩上がりを支えるファンの存在
クマガイは、Ichiがバンドの音を支える今の状態に、「ワタナベフラワー史上、最も良い手応えを感じている」と言い、「雰囲気も曲もどんどん良くなっていく」と目を輝かせた。
「20歳くらいから人生設計してきたけれど、思っているよりも全部遅い。でも叶ってる!」とクマガイ。良くなっていることはずっと感じ続けており、今が一番良いのは「お客さんのお陰。集客が減らないのはありがたい」と、ファンへの感謝を吐露した。
どんなバンドでも、長く続けていくと勢いの減退は否めない。しかしワタナベフラワーは、少しずつながら新しいファンが増えていると言う。「これは、僕が何でもやりたがりなのもある」と話すクマガイは、「色んな角度、違う角度で違うことをすると、僕のことを面白がって掘って(=深く知ろうとして)くれてワタナベフラワーにたどり着き、ライブを観に来てくれる」と、裾野の広がりについて分析した。
クマガイは、「めっちゃ……ちょっとやけど、右肩上がりなんですよ」とバンドの向上を自負しているよう。それを表すのが、ワタナベフラワーのニュースの多さだ。音楽はもちろん、地域密着のイベントや企画、コラボなど、話題に事欠かない。20年以上かけて成長したうえで、ここまで動きがあり続けるバンドはまれなのではないか。
「凄いなーと思うのは10-FEET。ずっと活動を続けて、お茶の間にも浸透して、夢があるなーと思います。僕たちもずっと続けて、色んな角度でチャレンジして、チャンスが来た時にドーンといきたいと。」(クマガイ)
「ドーンといく」、その構想の一つが「映画『天使にラブソングを…3』なんですよ」とクマガイは語った。