自転車を「チャリンコ」「チャリ」と呼ぶことがありますが、なぜこのように呼ばれるようになったのでしょうか? ラジオ番組『Clip』(ラジオ関西)内、神戸電子専門学校の学生が独自のレポートを発表するコーナー「走れ! Clip特派員!」で、自転車の呼び名の由来が話題となりました。
「チャリ」「チャリンコ」、さらには「ママチャリ」などの呼び名が浸透している自転車ですが、音の響きとしては「自転車」という言葉から派生して生まれたわけではなさそうです。「チャリンコ」の語源について、関西サイクルスポーツセンターの松川さんに話を聞きました。
結論としては、詳しい語源はわかっていないのだそう。明確な答えはわかってはいないものの、大きく分けて3つの説があるといいます。
1)自転車のベル説
自転車ベルの「チャリンチャリン」という音から呼ばれるようになった。
2)韓国語の「チャジョンゴ」説
韓国語で「自転車」を意味する「チャジョンゴ」が日本に伝わり、さらに音が変化して「チャリンコ」になった。
3)子どものスリ説
終戦直後の日本では、スリや食い逃げなどの悪さをする子どものことを「ジャリンコ」「チャリンコ」と呼んでおり、これがいつの間にか「自転車」を指すようになった。
おもにこれら3つの説が有力ではあるもののはっきりとしたことはわかっておらず、現在調査は打ち切りになっているのだそう。
ちなみに、「チャリンコ」「チャリ」のほかにも、名古屋を中心とした地域では「ケッタマシン」「ケッタ」とも呼ばれています。「ケッタ」は、強く蹴ることを意味する「蹴りたくる」から派生したという説が有力で、ハンドルを持って自転車を押し、何度か地面を蹴って助走をつけてからまたがる動作や、ペダルを蹴って(こいで)動かす乗り物という点に由来するといいます。ただ、いつごろから呼ばれるようになったのかは不明なのだとか。
「チャリンコ」「チャリ」という呼び名の明確な由来ははっきりしていませんが、自転車は幼児から高齢者まで幅広い世代にとって最も身近で便利な乗り物のひとつとして、時代を超えて親しまれてきました。
BMXが2008年の北京五輪から正式種目として認定されたほか、シェアサイクルサービスの拡大、ロードバイクやマウンテンバイクをはじめとしたスポーツバイク人気の上昇などもあり、今後もその種類は増えていくかもしれません。自転車はこれからも生活に密着したアイテムとして、それぞれの愛称で親しまれていくのでしょう。
※ラジオ関西『Clip月曜日』2023年6月12日放送回より