先月28日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は1リットルあたり185円60銭と、15年ぶりに最高値を更新しました。原油の輸入価格の上昇や政府のガソリン補助金の段階的縮小などが要因としてあげられるそうですが、そんな理由はともかく自動車が生活に欠かせない人にとっては“財布に厳しい!”という印象。
そんななか注目を浴びているのがアメリカ発祥の会員制倉庫型店「コストコ」です。数あるサービスのひとつとして、ガソリンスタンド(コストコ併設の施設は”ガスステーション”と呼ぶ)を併設している同店ですが、注目を集める理由はガソリンの価格。平均価格より安く提供されているのです。なぜ他より安く提供することができるのでしょうか? コストコに取材してみました。
先月、新倉庫店を大阪府門真市にオープンした同店。併設されたガスステーションには車が長い列を作っていました。そもそも、なぜガスステーションが併設されているのでしょうか。
「コストコは“衣食住全て”を揃えることができるというコンセプトがあります。自動車も生活には欠かせないものであり、そこもカバーしようという目的があります」(コストコ)
ガスステーションが併設されているのは発祥のアメリカの店舗でも同様であり、コンセプト通りガソリンだけでなくタイヤの販売・装着を行えることもカバーしているのが同店のおもしろいところでもあり魅力といえますね。
ガソリンの安さについては「コストの削減」と「利益を追求しない」というのがポイントとしてあるようです。
「コストコのガスステーションは店舗での買い物と同様に、会員様のみが利用することができます。また、支払いはマスターカードのクレジットカードかコストコのプリペイドカードのみに限っていて現金では受け付けていません。その分、コストを削減することができています。買い物ついでに給油してもらう……ということが大前提のため、ガソリンでの利益を求めているわけではありません。そのため安く提供することができています」(コストコ)
一般的に大手ガソリンスタンド以外の、いわゆる“格安ガソリンスタンド”は「業転玉」と呼ばれるガソリンを仕入れているとされています。業転玉を簡単に説明すると、元売り系列店に対し販売しきれなかった余剰なガソリンのことであり、格安ガソリンスタンドはこれを流通業者を通じ安値で仕入れることで安くガソリンを販売できる、とされています(現在は余剰が出ず業転玉を手に入れづらいとも)。
安い理由は「ガソリンの質が悪いから」だと都市伝説的に言われることがありますが、実際のところ安さと質は関係ありません。コストコにガソリンを安く仕入れるルートがあるのかを聞くと「仕入れ先などに関しては一切公表していません」とのことでしたが「ガソリンの品質はもちろん心配いりません」としています。