サッカー・J1のヴィッセル神戸DF初瀬亮選手が、ラジオ番組の単独インタビューで、今シーズン躍進するチームや自身について語るとともに、試合中の大けがで戦線離脱を余儀なくされたMF齊藤未月選手への思いを明かしました。
(※インタビュー収録日:2023年8月22日、場所:ヴィッセル神戸いぶきの森練習場)
ガンバ大阪のアカデミー育ちで、2016年にトップ昇格してプロ入り。2019年からヴィッセルへ完全移籍加入し、同年の途中から約3か月間、アビスパ福岡への期限付き移籍も経験。クリムゾンレッドでは5シーズン目を迎えている、初瀬選手。今シーズンはJ1リーグ戦で全試合に先発するなど、チームに不可欠な左サイドバックとして著しい活躍を見せています。(※2023年9月3日、J1第26節終了時点)
首位争いを展開するJ1リーグ戦について、「昨年とは違ってスタートダッシュに成功し、チームとしても個人としてもいいスタートが切れた」と、序盤戦の快進撃でチームが波に乗ったとコメント。「個人としても全試合に絡めているので、継続してチームのためにやっていかないといけない。リーグ(優勝)を取るチャンスはなかなかない機会だと思うし、ここからが勝負。1試合1試合がんばっていきたい」と気合いを込めます。
今でこそ初瀬選手が左サイドバック、酒井高徳選手が右サイドバックと、2人の共演が実現していますが、もともとはヴィッセルの左サイドバックを2人で競い合ってきました。ただ、2019年途中からは酒井選手の加入もあって福岡へ期限付き移籍したり、昨シーズンも控えにまわって「自分のコンディションがいいなかでも試合に出れなかった」経験を味わうことも。その「悔しさ」が、今の初瀬選手を支える原動力になっていると言います。
「やっぱり悔しさが一番の力になっていたし、なんとしても試合に出たいと自分としても思っていたので。そのなかで、やっぱり(酒井)高徳さんがいるから(出られないんだ)という考えにはひとつもならなかった。自分が(ポジションを)奪ってやるという気持ちは日ごろの練習から継続してあったし、練習でアピールするしかないと思っていた」
その思いが、今シーズンを迎えるにあたってのオフの猛練習に始まり、開幕戦からレギュラーを確保することにつながりました。持ち味であるビルドアップやクロスなど攻撃のみならず、「苦手」だったという守備面でも、吉田孝行監督が求める強度の高いディフェンスを発揮。堅守を誇るDF陣の1人として奮闘しています。
「もう悔しい思いをしたくないとか、あのスタジアムで活躍したい、あのスタジアムでアシストやゴールを決めたいという思いがあるからこそ(厳しい練習といいパフォーマンスを)継続できている。なにより、チームのためにプレーできることがうれしい。家族も自分がピッチに立つと喜んでくれると思うので」
終盤戦を迎えたJ1で、悲願のリーグ制覇のために、初瀬選手の役割はますます重要になってくると思われます。「もっともっとチームとして攻撃を活性化できるよう、もう1ランク2ランク上にいくためには数字をもう少し残していかないといけない」と、特長とする攻撃力で一層輝くべく、自らにノルマも課していました。