映画の「ディレクターズ・カット版」って何? 監督の涙が作る!? 編集段階で食い違う意図 その背景 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

映画の「ディレクターズ・カット版」って何? 監督の涙が作る!? 編集段階で食い違う意図 その背景

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 映画の好みや楽しみ方は人それぞれ。このコラムでは、元映画館スタッフで映画企画屋の宮本裕也さんが、独自の視点から映画の“観かた”を紹介します。今回は、「ディレクターズカット」について解説します。

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 皆さんは、テレビや映画を観るとき、タイトルの後ろにこんな文字が入っているのを目にしたことはないでしょうか。「○○○ ディレクターズ・カット版」と。ディクレターズ・カット版(以下DC)は、簡単に言うと「監督が編集したヴァージョンですよ」ということです。え? 映画やドラマって監督が編集するものじゃないの? と思った方も多いと思います。じつは……。

■編集は監督だけのシゴトじゃない プロデューサーなども担当

 撮影した素材をうまくまとめ、世に出すのが「編集」というお仕事。作品のクレジットを見ていると「編集」と出てきます。それです。編集マンがいれば編集マンが、作品によっては、発言力のあるプロデューサーが行います。

 映画もテレビもそうですが、編集ってホントに大事な工程なんです。どれだけ脚本が良くてもアイデアが良くても、豪華な出演者でも、見せる順番がダメならダメ。反対に、作品の内容が今ひとつでも編集次第で何とかなる。番組内でタレントが「編集でなんとかして~」なんて言いますよね。それでうまくいっちゃう。

 映画も例外ではなく、監督の意向とは違い、編集によって内容がガラッと変わってしまうことも。上映時間やお客さんのニーズに合わせるための作業ですが、作品によって、DCやファイナルカット版などと、見る側は「結局どれが良いの?」と混乱することもあり得ます。

 リドリー・スコット監督によるSF映画の金字塔『ブレードランナー』(1982年)は、DC版に加え、「ファイナル・カット版」など5つのタイプが存在するといいます。

 また、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988年)は、劇場版とDC版があります。前者は、興行不振のためメインの登場人物の関係性を描いたシーンをカット。後者は、そのカットシーンが追加され、物語に深みを与えています。見た人にもよりますが、雰囲気がまるで違う作品になっているとも言われます。

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