「難しそう」「とっつきにくい」。考古学のそんなイメージを変えてもらい、遺物の用途や作った人が込めた意味などについて想像する楽しさを知ってほしい。そんな思いが詰まった展覧会「ナニコレ?のこうこがく」が大阪歴史博物館(大阪市中央区)で開かれている。10月2日(月)まで。
同博物館(愛称:「なにわ歴博」)が収蔵するコレクションの中から、初心者も観察しやすい約80件の入門的な考古資料を選び、「色」「材料」「使い方」「時(いつのものか)」の4つの切り口で紹介。縄文時代の石斧から江戸時代の瓦まで、いにしえの人々が営んだ生活の様子を伝える貴重な品々が並ぶ。
縄文時代のアクセサリーは、自然の素材や粘土を加工したものが主。
耳飾りは耳たぶに穴を開け、ピアスのように付けていたものあった。貝殻をくり抜いて加工した腕輪や骨製のかんざしは、形だけであれば、現代のアクセサリーショップに置いてあってもおかしくない。
古墳時代の「耳環(じかん)」も最近流行のイヤーカフそっくり。同時代の装飾品は多くが古墳の副葬品として見つかっていて、貴重なビーズで作ったネックレスなどは、被葬者の身分の高さを示している。展示を担当した安岡早穂学芸員によると「縄文時代は普通の人もアクセサリーを身に付けていたが、古墳時代になると、入手しにくい材料、日本列島にない技術で作られたビーズなど、アクセサリーは特権階級の象徴になっていった」という。
◆特集展示「ナニコレ?のこうこがく」
会場:大阪歴史博物館(〒540-0008 大阪市中央区大手前4-1-32)8階特集展示室
会期:2023年6月28日(水)~10月2日(月)
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:火曜
観覧料:大人600円、高大生400円