サッカー・J1で現在首位に立つ、ヴィッセル神戸(勝点52)。2週間ぶりのリーグ戦となる16日のJ1第27節では、7位サンフレッチェ広島(同41)とのアウェイ戦に臨みます。悲願のリーグ制覇に向けて、上位陣との直接対決が続くなか、その第1弾となる今節を前に、15日、監督・選手が意気込みを語りました。
今シーズン、ヴィッセルは、Jリーグルヴァンカップのホーム&アウェイ2試合で、広島に0-5、1-2と敗戦。しかし、そのときはミッドウィークのゲームということもあって、リーグ戦からメンバーを大幅に変えて臨んでいました。一方、J1では5月13日のホームゲーム(第13節)で、FW武藤嘉紀選手のゴールなどにより2-0と勝利しています。
過去の対戦データを見ると、ヴィッセルはJ1で広島に2連勝中、5戦連続負けなし。ただし、今回の舞台、エディオンスタジアム広島では2勝7分け11敗と大きく負け越し。勝利した試合は、2015シーズンのJ1リーグ戦(1stステージ第4節、1-0、小川慶治朗選手の決勝ゴール)までさかのぼらなければなりません。まさに鬼門と言えるスタジアムでの試合となります。
それでも、悲願のリーグ制覇に向けて、上位直接対決は絶対に落とせない試合。ここから9月は広島、4位セレッソ大阪(23日、ホーム)、2位F・マリノス(29日、アウェイ)と続きますが、吉田孝行監督は「まずは広島に勝たないと意味がない。広島戦だけに集中してやりたい」とコメントします。
前日にプロ野球・阪神が18年ぶりのリーグ制覇を成し遂げた話題が振られた際には、「ニュースでは観ました、『アレ』(優勝)ですね(笑)。使わせていただけるなら」と笑顔を見せつつ、「『アレ』は正直気にしていない。1試合1試合(が重要)なので」と、改めて目前の試合での勝利にフォーカスしていました。
酷暑の夏場、特に8月は、ハイプレスと球際の強さ、運動量をいかすスタイルのヴィッセルにとってはハードな時期となりました。それはリーグ戦の結果にも表れ、1勝2分け1敗と、勝点を伸ばしきれず。天皇杯でも準々決勝でJ2のロアッソ熊本にPK戦の末、敗退しています。
それでも、9月初陣となった3日のJ1第26節京都サンガF.C.戦では、ホームで2-1と勝利。横浜F・マリノスから首位の座を奪還することができました。「京都戦は、きれいなサッカーではなかったが、泥臭い、みんなで戦うサッカーを見せられた。そこのベースを忘れずに今後やりたい」という吉田監督は、「いまのサッカーはインテンシティ(強度)が高い。どれだけ妥協せずにやるか(が大事)」と、今シーズンのベースとなるスタイルを貫いて戦う大切さを強調していました。
選手たちもその思いを共有しています。リーグ戦で全試合先発中のDF初瀬亮選手は「広島は前線からハメてくるチーム。小さなことをして(奪われて)ショートカウンターされるのは避けないといけない。チームが何をして勝ってきたかというところ。相手に警戒されても質にこだわってできれば」と述べるとともに、「後ろ(守備)が失点ゼロなら負けることはない。ウチは強力な攻撃陣がいるので、1点は取ってくれると信じて戦う。難しい試合になると思うが、勝利が一番大事」と気合いを込めていました。
そして、前節にJ1初得点を決めるなど、京都戦勝利の立役者となったFW川崎修平選手(※「崎」=たつさき)は、「勝利が第一。チームとして戦って、相手より上回って勝ちたい」と勝ちにこだわる思いも吐露。「広島はDF陣にすごい選手がいるので、そこをどう突破するかがカギ。個人やチームで打開が求められるなか、そこで結果を出したい」と、2試合連続ゴールに強い意欲を燃やしていました。