菅田将暉主演の人気ドラマが劇場版に。久能整が遺産相続の先にある秘密を解こうとおしゃべりを繰り出します。映画『ミステリと言う勿れ』が全国東宝系で公開中です。
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主人公は天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整(くのう・ととのう)です。美術展を鑑賞しようと広島を訪れます。
「あぁ、見に来てよかったぁ」
整が満足した気分で美術館を出ると、女子高生が声をかけました。
「久能整くん!バイトしませんか」
「バイト?」
「お金と命がかかっている。マジです。力を貸して」
「話が見えないのにもほどがある……」
女子高生の名前は狩集汐路(かりあつまり・しおじ)で、犬堂我路(いぬどう・ガロ)の知り合いだといいます。彼女は地元の名家・狩集家当主の孫で、整に持ちかけられたバイトというのは狩集家の莫大な遺産相続をめぐるものでした。汐路の祖父にあたる当主が亡くなり、親族が集まっている大広間へ汐路が整を案内します。
そこには、狩集理紀之助(りきのすけ)、波々壁新音(ははかべ・ねお)、赤峰(あかみね)ゆらがいて、汐路を合わせた孫4人が遺産相続の候補者だというのです。この中から一人に相続の権利が与えられるのですが、そのためにはあるお題をクリアしなければなりません。当主の顧問弁護士が遺言書を読み上げます。
「それぞれの蔵においてあるべきものをあるべきところへ過不足なくせよ」
遺言は狩集家の所有する蔵4つを孫4人へ個別に与えるとして、孫たちへ蔵に隠された品々の謎を解くよう指示しています。汐路は整に相談した理由を打ち明けました。
「うちの遺産相続はいつもお題が出て、争う形になって、その度に必ず何人も死人が出てるの」