大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)を運営する日本国際博覧会協会は15日、開催期間中に会場・夢洲(ゆめしま 大阪市此花区)で行う一般参加イベントの募集を始めた。
募集は2023年12月31日まで。2024年1~3月に審査し、内定者(グループ)には4月に個々に通知する。結果は博覧会協会のホームページにも掲載する予定。
博覧会協会は6月、万博の開閉会式や、期間中に会場内で実施するイベントの内容を検討する有識者委員会「大阪・関西万博催事検討会議」を立ち上げた。
企業・団体・個人にかかわらず、万博会場で参加型のイベントのアイデアを募る。万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」の通り、国・地域、文化、人種、性別、世代、障がいの有無に関わらず、社会課題解決や未来創造への“挑戦”を応援する場を提供するのを目的とする。イベントは万博会場・夢洲の11の催事場で開催する。
募集ジャンルとして挙げたのは、
▼地域コミュニティが一体となって行っている「まつり」のような“参加型”
▼ダンス、舞踊などの演目発表やプレゼンテーション、音楽コンサート、お笑いイベントなどの“発表型”
▼多様な文化や芸術の発表の場として展覧会、アートインスタレーション(展示空間を含めて作品とみなす手法)の“展示型”。
検討会議の座長で吉本興業ホールディングス前会長・大﨑洋氏は、「1970年の大阪万博は『世界のみなさん、どうぞ日本・大阪へお越し下さい』というアプローチだったが、2025年大阪・関西万博は『日本から世界へ発信する社会課題として、どういったものを取り上げ、世界中の英知を結集して、催事(イベント)の力で解決させるか」と訴えている。
そして、「単なる商業エンターテイメントではなく、子どもたちや若者が、『自分のこと』として積極的に参加して万博を作りあげることができるか」と述べ、万博にとどまらず、レガシー(次世代につながるもの)としたいと期待を寄せている。
また、夢洲(リアル)会場で行うイベントのオプションとして、バーチャル万博として展開するメタバース空間内のバーチャル・イベントスペースでの展開も可能。
2005年の愛知万博(愛・地球博)では260件の募集のうち、72の個人、団体が参加した。大阪・関西万博では、1000件以上の応募が見込まれている。
大阪・関西万博には153の国と地域、8つの国際機関が参加を表明。民間パビリオンも13団体が参加し、一部のパビリオンでは着工段階に入っている。
しかし、海外パビリオンについては、資材の高騰や人手不足などの要因で建設業界が難色を示し、“手付かず”となっており、建設工事の遅れが懸念されている。