交通違反の内容によっては罰金だけでは済まず、裁判所へ行かなければいけないケースもあり、外国人は言葉(マレー語)が通じないことがネックになってトラブルになるケースがあると聞きます。そのため、お金で解決できるのであれば、外国人にとっても渡りに船という感じなのでしょう。知り合いの日本人はスピード違反で車を止められた際、警察官から親指と人差し指を擦り合わせる動作を見せられ、違反切符を切らない代わりに500RM(約1万5000円)を要求され、支払ったそうです。
前述のローカルの友人によると、マレーシアでは警察官の所得が少ないため、賄賂を要求することで小遣い稼ぎをしているのではないか、と言うのです。ただ、この国は近年、歴代の首相が退任後に汚職で逮捕される事案が相次ぎ、政府や政治家の汚職が社会問題化しているため、こうした“賄賂文化”は減りつつあるそうです。
こんなことが1件でもあれば日本では大問題になりかねませんが、ここは異国の地。この話も、ローカルの人とは「いつものことね」と世間話程度で済んでしまいます。
海外での生活は想定外のことが起こっても身を守ることを第一に、より柔軟な考えを持って対処していかないといけませんが、賄賂を要求された際にどう対応すべきか、まだ自分の中で答えは出ていません。まずは、できるだけ警察のお世話にならないように気をつけて暮らしていこうと思います。
(取材・文=斉藤絵美)