1986年に連載を開始し、90年にアニメ化。以来、大人から子供まで誰からも愛される国民的まんがである『ちびまる子ちゃん』。そんなちびまる子ちゃんを生み出したさくらももこさんの展覧会が「神戸ゆかりの美術館」(神戸市東灘区・六甲アイランド)で開催されている。12月28日(木)まで開催されるこの展覧会の魅力を、学芸員の辻智美さんに聞いた。
さくらももこさんはちびまる子ちゃんがアニメ化した翌年の91年、デビューエッセイ『もものかんづめ』を刊行。このエッセイは250万部を超える大ベストセラーとなった。まんが家、エッセイスト、作詞家、脚本家といくつもの顔をもちながら、数々の『ちびまる子ちゃん』作品とエッセイ本、『COJI-COJI』などの新しいキャラクター作品を生み出し続けた稀代のアーティスト・さくらももこさん。2018年の逝去後も色あせることのない、その全魅力に迫っているのが開催中のさくらももこ展だ。
約300点のカラー原画や直筆原稿を展示するほか、さくらももこさんが息子のために作ったポイントカードや木彫りの箱など手作りのものも並ぶ。その他にも『りぼん』のふろく、民芸品のコレクション、アトリエで愛でていた置物や愛用していた画材などもあり、さまざまな角度からさくらももこさんの魅力に触れることができる。
「『ももこのいきもの図鑑』につづく、あなたの『いきもの図鑑』をかこう!」という子どものためのワークショップも開催。さくらももこさんの著書『ももこのいきもの図鑑』を鑑賞して、自分自身の思い出があるいきものの絵とエピソードをかくという内容になっている。(事前申し込みが必要。詳しくは神戸ゆかりの美術館公式HPへ)
今回の展覧会が開催されている神戸の街は、魅力に惹かれた多くの芸術家たちが拠点をおいて活躍し、神戸の芸術文化の発展を担うとともに、日本の美術界にも大きな足跡を残した。神戸市では、神戸の地で育まれた芸術文化にふれてもらおうと、平成19年3月、既にあった神戸ファッション美術館内に「神戸ゆかりの美術館」を開館した。現在、神戸ゆかりの美術館では展覧会の内容に幅を持たせ、神戸にちなんだ芸術のみならず、さまざまな展覧会を開催している。最後に辻さんは、「今後も様々な展覧会を開催していきますので、よろしくお願いします」と呼び掛けていた。
(取材・文=バンク北川 / 放送作家)
◆神戸ゆかりの美術館
「さくらももこ展」は、12月28日(木)まで開催
※11月7日(火)以降、一部展示替えあり
【アクセス】六甲ライナー・アイランドセンター駅すぐ
【開館時間】午前10時から午後5時(入館は午後4時30分まで)
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌平日が休館日)
公式ホームページ