あなたはどんなときに涙が出ますか? “悲しいとき”をイメージする人も多いかと思うのですが、実際には、悔し涙やうれし涙、怒りに震えて涙が出ることも。ときには、笑いすぎて涙が出てしまうこともありますよね。
ラジオ番組『Clip』(ラジオ関西)内、神戸電子専門学校の学生が独自のレポートを発表するコーナー「走れ! Clip特派員!」では、なぜ笑いすぎたときにも涙が出るのか、が話題となりました。
「笑いすぎて涙が出た!」なんて経験がある人も多いと思いますが、「悲しい」「痛い」「腹立たしい」など、ネガティブな感情とは真逆の感情にもかかわらず涙が出るのはなぜなのでしょうか。涙のメカニズムについて、日本眼科医会の眼科医の先生に話を聞きました。
涙の分泌は、「三叉神経」「交感神経」「副交感神経」の3つの神経の支配を受けています。
「三叉神経」は顔の感覚を脳に伝える末梢神経のひとつで、痛みや刺激で出る涙に関係しています。たとえば、目に異物が入ったとき・タマネギをきざんだときなどの“反射的分泌”がこれに分類されます。
「交感神経」と「副交感神経」からなる「自律神経」も涙に大きく関わっています。なかでも、活動しているとき・緊張しているとき・ストレスがあるときなどに働く交感神経は、緊張や怒りで出る涙に関係しています。ただ、交感神経が優位になると血管が収縮し涙腺が締まるため、涙の分泌量は多くありません。
一方で、休息時・睡眠中・リラックスしているときなどに働く副交感神経は、ドラマを見て感動したときなどの気分が高揚したときに出る涙に関係しています。おもに涙腺を刺激するのは副交感神経が優位になっているときで、脳や心身が休息に入ると血管が拡張して涙腺がゆるむため涙が出やすくなるのです。
では、大笑いしたときに出る涙は一体どの神経に関係しているのでしょうか。眼科医の先生によると、通常起床時は交感神経が優位になっているが、大笑いすると副交感神経が優位になるといいます。副交感神経が優位になることで涙液の分泌が刺激され、その結果涙があふれるという解釈なのだそう。
ただ、「身体的な個人差もあるため断定できる原因はない」とのこと。もともと涙腺がゆるかったり、感受性の強さなどによっても変わってくるのかもしれません。ともあれ、笑いと涙の因果関係には「副交感神経」が関わっていることがわかりました。
※ラジオ関西『Clip月曜日』より