ラグビーワールドカップ・フランス大会が開催中です。2019年の前回大会の日本代表の活躍を受け、今回も多くのメディアが話題を取り上げ、注目度は高まっています。ただ、野球やサッカーに比べるとまだなじみが薄いラグビー。殊に初心者は、「ラグビーボールの絵文字・イラスト」を間違って使っている場合も多いといいます。
たとえば、スマートフォンのメッセージ機能で『ラグビー』と打つと、茶色い楕円形のボールの両端に白い線の入ったイラストが現れる場合があります。しかし実はこれ、ラグビーではなくアメリカンフットボール、いわゆるアメフトボールなのです。
ラグビーボールも、茶色い楕円形で縦に網目が入っているのがアメフトと共通のため混同してしまうのですが、アメフトボールと違って“両端の白線”が入っていません。(※後述)
このボールの間違いは、よくあることとして、ラグビーワールドカップのX(旧:Twitter)の日本語版公式アカウントで指摘されたことも。
なぜこのような事態になっているのでしょうか。
ニッセイ基礎研究所の研究理事・中村良一さんは「ラグビーはワールドカップの前回大会で認知度が高まったものの、アメフトがどういうものかの認識は広まっていない、ということがあるかもしれません」と分析します。
確かに、アメリカでは最も人気のあるプロスポーツとされ、プロリーグ「NFL(National Football League)」の試合ともなれば、「アメリカ国内だけでも毎週1億人以上のファンがテレビの前やスタジアムでNFLに熱狂する」(NFL公式サイト日本語版より)ほどだそう。
一方で日本は、「ライスボウル」(アメリカンフットボール日本選手権)や「甲子園ボウル」(全日本大学アメリカンフットボール選手権 決勝)など、大きな大会をメディアが取り上げることはありつつ、リーグは実業団や社会人のチームで構成される「Xリーグ」のみで、プロリーグは無い状況です(※1)。
そうした背景があってか、中村さんによると「白線に加えてボールの大きさも違う(ラグビーボールの方が大きい)のですが、見分けがつかない」のではないかとのこと。
ちなみに、なぜアメフトのボールには両端に白線が入っているのでしょう。