特急停車駅の「海南」は沿線唯一の高架駅。中世ヨーロッパのテーマパークやホテル・温泉などを擁する「和歌山マリーナシティ」への最寄駅で、ホームも駅舎も明るい雰囲気を漂わせています。
「冷水浦」は難読駅名で、これで「しみずうら」と読みます。御坊までの区間で海がちゃんと見えるのは、この「冷水浦」~「加茂郷」間だけ。そして「初島」の手前では巨大な石油精製所のタンクがいくつも出現します。
「箕島」は有田市の中心駅で、甲子園春夏4回優勝の箕島高校も駅からすぐです。有田みかんの本場だけあってミカン畑が一面に広がり、箕島漁港はタチウオの漁獲量が日本一といわれています。
JR西日本在来線で最長912メートルの有田川橋梁をわたれば、モダンな駅舎をもつ「藤並」。ここには2002年まで有田鉄道が走っており、主にみかん・木材を湯浅港まで運搬していました。いまは、終点だった金屋口が鉄道公園になっており、かつてここを走っていたD51が出迎えてくれます。また旧線路500メートルを使った乗車体験(土・日・祝日に実施)もでき、キハ58・ハイモ180・フラワ1985などの懐かしい車両が元気に活躍しています。
「湯浅」は醤油発祥の地としても有名。ここには和歌山県唯一の重要伝統的建造物群保存地区があり、昔の面影をしっかり残しています。1814年の天保年間に創業した醤油製造の「角長」や、金山寺味噌の「太田久助吟製」など老舗が軒を連ねます。そして築90年の旧駅舎では、かまどで炊いたおにぎりが人気で、列車を見ながら食べられるテラスも用意されています。