和歌山県の紀伊水道で8月24日深夜、2隻の貨物船が衝突し、日本船籍の貨物船「いずみ丸」が転覆した事故で、和歌山海上保安部と第五管区海上保安本部(神戸市)は2日、業務上過失致死傷と業務上過失往来危険の両容疑で、「いずみ丸(東京都千代田区)」の2等航海士(38・鳥取県米子市)と、リベリア船籍のコンテナ船の3等航海士(48・フィリピン籍)を書類送検した。
和歌山海上保安部によると、2人は事故当時の操縦責任者で、基本業務を怠り、「いずみ丸」の乗組員を危険な状態にさらした疑いが持たれている。ともに容疑を認めているという。
事故は8月24日午後11時半ごろ、和歌山県日高町の日ノ御碕から北西約14キロの紀伊水道で、「いずみ丸」とリベリア船籍のコンテナ船が衝突し、「いずみ丸」が転覆した(のちに沈没)。
「いずみ丸」の乗組員5人のうち、3人が救出されたが、8月28日午前、同県有田市の海岸で見つかった遺体が、行方不明の一等航海士(67)と判明、50代の船長の行方が依然わかっておらず、和歌山海上保安部による捜索が続いている。コンテナ船の乗組員18人にけがはなかった。