比叡山延暦寺(滋賀県大津市)で4年に1度、古儀にのっとって行われる「法華大会(ほっけだいえ)」が4日、最も重要な日・中日を迎えた。
この日、高僧が大講堂を一周する「大行道(だいぎょうどう)」や、得度したばかりの童僧(小学2~6年)による「稚児番論議(ちごつがいろんぎ)」などの儀式が盛大に営まれた。
法華大会は平安時代中期に始まった。天台宗で一人前の僧侶になるための最終試験とされる。受験者の僧侶が、「探題」と呼ばれる高僧から法華経十巻の教えを請う「法華十講」と、その後、夜を徹して行われる僧侶らへの口頭試問「広学竪義(こうがくりゅうぎ)」で構成される。今年(2023年)は10月1日~6日までの6日間で、全国から集まった132人の天台宗僧侶が受験、合否が判定される。
「三方の出合い」は、新たに探題となった堀澤祖門・三千院前門主ら高僧2人と、天皇の代理(勅使)をつかさどる旧堂上華族(※)の慈光寺靖男氏が、殿上輿に乗って三つの方向から、延暦寺・大講堂の前庭に到着し、入堂した。
「稚児番論議」は、勅使に伝教大師・最澄の教えや比叡山の歴史を伝える行事。童僧は8人選ばれ(明治時代以前は10人)、昔ながらの問答形式で行われるため、子どもたちは夏休み返上で論議の内容を覚えて披露する。その姿はほほえましく、法華大会での見どころの1つとなっている。