小松氏は2022年、神戸市内のライブペイントで、双龍をモチーフとした作品を描き、翌2023年の節分に、神戸・生田神社に奉納した。
「描くことは瞑想すること」という思いは、じっくり集中して描く曼荼羅の制作も、即興のライブペイントも同じ。生田神社の歴史や、阪神・淡路大震災から復興の道を歩む神戸への思いを抱いて描いた。「時間のかけ方は違えど、向き合い方は一緒」と訴える。
■やはり東寺で、弘法大師・空海の世界観を
東寺では2019年、東京国立博物館(上野)で、今回の1200年記念事業を見すえた特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」を開催し、門外不出の仏像を観る機会を設けた。講堂の立体曼荼羅のうち、史上最多となる国宝11体、重要文化財4体の計15体が出品された。
かつてラジオ関西の取材に対し、「弘法大師・空海は平安時代に3D空間を実現させた」と立体曼荼羅について称賛した東寺・三浦文良執事長は「この(東博の)展示で、『やはり東寺という場所で、本来の仏の姿を観たい』という声が多く、下賜された東寺で、空海がその世界観を表す21体の仏像による立体曼荼羅そのものを観ていただくことに意味がある」と話す。
特別拝観「東寺のすべて」では、ネクストマンダラ(灌頂院)や立体曼荼羅(講堂)など、8つの拝観スポットをめぐることができる。
年間を通じて、御修法の結願日に当たる1月14日と、閼伽井が公開される4月21日(正御影供※)の2日だけ、その門扉が開かれる東寺・灌頂院。その内部で現代アートとしての曼荼羅に触れることができる絶好の機会だ。