女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサは21日、MF水野蕗奈選手が負傷し、神戸市内の病院で検査を行った結果、左ひざ前十字靭帯損傷と診断され、全治に約9か月を要する見込みと発表しました。この一報を受けて、ラジオ番組で元なでしこジャパンDF川上直子氏が水野選手をおもんぱかるとともに、復帰へのエールを送っていました。
昨年12月の試合中に左ひざを負傷し、前十字靭帯損傷で全治約8か月と診断されていた水野選手。その後、長期のリハビリを経て、9月10日のWEリーグカップ、ちふれASエルフェン埼玉戦で、復帰を果たしていました。力強いドリブル突破でサイドから仕掛けられるアタッカーはチームにとって貴重な存在で、今シーズンの注目選手の1人だっただけに、リーグ戦開幕前に本人はもちろん、チームにとってもつらいニュースとなってしまいました。
「同じ個所を再断裂ということになり、本人が一番ショックだと思う」とラジオで語った川上氏。「でも、治らないけがではないと思うので、もう1回がんばってリハビリを乗り越えてほしいなと、もうそれしか言えない。待っている人がたくさんいるので、焦らずにがんばってほしいなと思います」と、本人を気遣いながら、励ましの言葉を送ります。
川上氏がパーソナリティーを務めるラジオ番組、ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』には、水野選手へのメッセージも数多く寄せられ、「これからというときのけがで本当にショック。リハビリ、トレーニングもかねるとなると、かなりの時間がかかると思われますが、くれぐれも、水野選手にはあせらず治療に専念してもらいたい」「水野選手負傷のリリースがショックすぎて……せっかくリハビリを終えて復活したばかりなのに、だれよりもご本人が悔しくてショックだと思いますが、ファン・サポーターは再復活の日を待ちますよ! まずはしっかりと治療してほしいです」などと、ファン・サポーターも水野選手の状態を心配していました。
川上氏は、現役引退後もひざ痛のため診てもらっている医師が、今回の水野選手の担当医と同じだとラジオで明かしたうえで、「(復帰のプロセスは)すごく順調だったらしいんです。あまりに順調すぎたので、もう1回傷めたと聞いたときは、ドクターも『え、まさか……』とびっくりしたそう」と、再断裂の一報に担当医をはじめ関係者のショックも大きかったようです。
WEリーグをはじめ、国内外の女子サッカー選手は、ひざの前十字靭帯を切る大けがを負う選手が多く、選手生命にかかわる問題としても注目されています。
「女子選手について、前十字をきる選手は多いのですが、もう1回リハビリしてがんばったとき、体重のかけ方だったり、身体のいろんなずれを直して、動き方をちょっと変えていかないと、もしかするとよくないのかなと。いろんな、骨盤の向きとかで、女子選手は切れる人が多いんじゃないかと言われていて……。男子の選手に比べるとすごく多いんですよね」と、ラジオのなかで述べた川上氏。
「ひざの動きを入念に、内側に入らないようにしようとか、そういうことはウォーミングアップのときにはちゃんとやっているんですよ。でも、みんなそれぞれ足の形も違いますし、やっぱり負担がかかる場所も違うので……」と、アスリートの思いを代弁しながら、サッカー選手にとって切実な問題を痛感しているようでした。
最後に川上氏は改めて「今回、再断裂ということになってしまいましたが、もう1回、本当にしっかりと、移植でつなげてほしいなと思います。そして、“ふっとい”じん帯にしてもらってください! 日本女子サッカーのなかでは筋力も強いほうで、貴重な人材だと思っているので、本当に復帰を待ってます!」と、水野選手に向けて熱くエールを送っていました。
※ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』2023年10月23日放送回より