JR姫路駅から電車で約25分。自然豊かな兵庫県・福崎町は、『遠野物語』などで知られる民俗学者・柳田國男の出身地として、また、ブームを巻き起こした「もちむぎ」の生産地としても知られます。
そんな福崎町の玄関口であるJR福崎駅前で目に飛び込んでくるのが、液体の満ちた円筒に閉じ込められている怪しいオブジェ。赤くゴツゴツとした肌、頭の上に皿が光る……カッパです。正式な名前は「河童のガジロウ」。今人気の、福崎町のキャラクターです。
ガジロウだけではありません。あちこちのベンチに妖怪が・例えば、大きな翼を背に、なぜかスーツをまとってパソコンを操作する赤い「天狗」や、コロナ禍で一躍有名になった疫病封じの妖怪「アマビエ」も“座って”います。
他にも、まるでミイラのような「一反もめん」、猫に添い寝する「座敷童子」(ざしきわらし)。さらに、バスやタクシー、レンタカーにまで妖怪が描かれています。
足元には、カラフルなマンホールのイラストにもガジロウが。大口を開けて舌をベロリと出し、JR播但線の車両にまたがるガジロウとともに、緑色の兄弟カッパ「フクちゃん・サキちゃん」もお目見えしています。
そう、福崎町は妖怪が溢れる「妖怪の町」なのです。