金川さんによると、発案して声を挙げたのが2022年9月頃。中国の企業などもあたりつつ、2か月ほど掛かってTOYS SPIRITSにたどり着いたあとはスムーズに運んだという。「早くカタチにしたい思いでした」と金川さんは当時を振り返る。
はやる気持ちを抱きつつ、製作段階では細かい打合せを重ねた。作るからには精巧なものをと、工場、営業、管理部門など部署を横断した約10人が携わった。また、メーカーをはじめ企画に関わる人たちをそれぞれ工場見学に招いた。
製作にあたり、コンベヤ企業として特にこだわったのは象徴的存在であるベルトの深緑色だった。
「実物の色に近づけたいと(メーカーにも)頑張ってもらいました。出来上がりは、工場の設計担当者も『そのまんま、うち(のベルト)やな』と言うほどに。側面に貼られた(ロゴ)プレートも、メーカー担当者によると『意外に大変だった』そうですが、結果、そのプレートが再現性を高めることになりました」(金川さん)
「本気で監修!!」とのキャッチコピーを付けた第1弾は、ストレートのコンベヤをモチーフに、ベルト部分の長さ、脚の長さ、傾斜の異なる全5種類を送り出せた。兵庫県姫路市内の店舗からは、発売初日に完売したとの報も届く順調な滑り出しだった。
ただ、狙いはカプセルトイの販売ではなくECサイトの売り上げ増だ。手頃な“おもちゃ”を、いかにして具体的戦略につなげるのだろうか。
※シリーズ【2】「“おもちゃ”で終わらせないためのユニークな秘策」に続く