鹿児島の謎曲『茶わんのむしのうた』 県民はみんな歌える? なぜ「茶碗蒸し」と書かない? 調査した | ラジトピ ラジオ関西トピックス

鹿児島の謎曲『茶わんのむしのうた』 県民はみんな歌える? なぜ「茶碗蒸し」と書かない? 調査した

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 鹿児島で伝わっている曲『茶わんむしのうた』をご存知でしょうか。タイトルを見ると、料理の「茶碗蒸し」について歌った曲を想像しますよね。ところが、鹿児島県では特に茶碗蒸しが郷土料理というわけでも名物というわけでもありません。では、なぜ鹿児島では『茶わんむしのうた』が有名なのでしょうか?

鹿児島県に伝わる謎の曲『茶わんむしのうた』(イメージ)

☆☆☆☆

 まずは『茶わんむしのうた』の歌詞をご紹介します。

【歌詞】
 うんだもこら いけなもんな(まったくそれは どんな物なのですか?)

 あたいげんどん ちゃわんなんだ(私の家の茶碗は)

 日に日に三度もあるもんせば(毎日、日に3回も洗っているため)

 きれいなもんごわんさー(清潔なものです)

 ちゃわんについた虫じゃろかい(茶碗についた虫のことでしょうか)

 めごなどけあるく虫じゃろかい(洗い物かごなどをけちらして歩く虫のことでしょうか)

 まこてげんねこっじゃ(まったく恥ずかしいことです)

 わっはっは

 あるお店で、お客が「茶わん蒸し」を注文したところ、主人・店員は「茶わん蒸し」を知りません。そこで主人は、「お茶」に虫がいたと勘違いし、店員にきちんと茶碗を洗ったのか、茶碗に虫がついていた、と叱ります。すると店員は「茶碗は1日に3回も洗っている。それは茶碗についていた虫なのでしょうか」と怒り、お客は大笑い.....というものです。

 つまり、茶碗蒸しを知らない主人と店員による勘違いを、ユーモラスに歌った曲だったというわけです。曲名の「茶わんむし」がひらがな表記になっているのも納得ですね。

なぜ鹿児島県で『茶わんむしのうた』が伝わっているのか(イメージ)

 発祥の地である鹿児島県の「宮内小学校」によると、「大正10(1921)年、本校に勤務されていた石黒ひでさんが学芸会で披露した劇の『劇中歌』として作詞・作曲されたようだ」とのこと。当時、宮内小学校と近辺の小学校では学校対抗で学芸会がおこなわれていました。その際、石黒さんが劇『行きくれし旅の子』の劇中歌として作詞・作曲したのが『茶わんむしのうた』だったのです。

「本校では、朝の会や音楽の時間に歌ったり聴いたりします。学校の金管バンドの定番曲にもなっていますし、今年度の運動会では『茶わんむし体操』を全校児童で踊りました。また、校門の横には『茶わんむしの歌』発祥の地を示す看板もあります」(宮内小学校)

 誕生の地でもある宮内小学校では『茶わんむしのうた』を歌う機会が多いため、子どもたちは自然と覚えていくそう。さらに、徐々にほかの地域にも広がっていき、今では「鹿児島県民なら皆歌える」と伝えられるほどにもなりました。

「2023年1月に、ある番組で『茶わんむしのうた』が取材されました。その際、大変多くの方が歌えることが明らかとなりました。県内各地で聞く機会・歌う機会があるため、子どもから大人まで歌えるようになっているのかもしれません」(宮内小学校)

『茶わんむしのうた』の発祥が鹿児島県内にある小学校であることは意外と知られていない(イメージ)
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