今年、全国で大量発生しているというカメムシ。「カメムシ大量発生」が検索のトレンドの上位にランクインするほか、SNSでの投稿も相次いでいます。独特のにおいを放つことで悪名高いカメムシですが、実際のところ害はあるのでしょうか。伊丹市昆虫館学芸員の長島さんに聞きました。
1.果樹や農作物への被害
【長島さん】特にカキやミカンなどの果樹や農作物を害します。カメムシは、口がストローのような形状になっており、突き刺して汁を吸います。その際、唾液(消化液)を入れて溶かしてから吸汁を摂食するため、果樹や農作物には体外消化の跡が残ってしまいます。その部分は見た目が悪くなり味も落ちてしまうため、商品になりません。
2.不快感を与える
【長島さん】ご存知の通り、カメムシは強いにおいを発します。このにおいは脚の付け根あたりにある臭腺というところから液体で出し、それが蒸発して気体となって拡散します。時々「かまれた」という人がいますが、おそらくこれは液体による刺激。痛みの度合いは人それぞれですが、水ぶくれのようになることも。とはいえ、外敵からの危害がなければにおいを発することはありません。
刺激をしなければにおいを発することもなく、生活の中ではほとんど実害がないということがわかりました。
また今回、10月3日放送のラジオ番組『Clip』(ラジオ関西)でリスナーにカメムシに対する意見を募集したところ、以下のような回答が得られました。
■「不快感を抱く」という意見
東京都のR.N くりーむぱんさんは「気持ち悪い一択」と回答。(番組の)X公式アカウントのポストでカメムシのイラストに驚き、スマホ落としたとのことです。大阪府のやまさんは、可愛いと思ったことは一度もないといいます。「洗濯物を外に干してるとくっついてくるし、潰れたらくさい、部屋にいると飛び回ってる音がブンブンうるさい」との意見でした。
ほかにも、カメムシに対してネガティブな印象を持つ人の中には、そもそも虫が苦手という人が多く、かわいいという意見には驚きを隠せない様子が伺えました。
■肯定的な意見
上記に代表されるように、同番組内に寄せられた声は不快感を示すものが圧倒的多数でした。一方で、一部肯定派も......
和歌山県のるくこさんは「あの強烈な独特なにおいが無ければ見る分には可愛いなとは思います」と回答。ほかにも、東京都のうずさんは「みんなに気持ち悪がられてかわいそうなので私はキモかわだと思います!」とのこと。
さらに、田舎の中学校出身だという大阪府のぷるぷるーくさんは、「たくさんのはっとうじ(カメムシ)が出てくるので、もう、気持ち悪いも、可愛いも、何も思わなくなっちゃいました!!」といいます。