大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)の会場建設費について、政府が当初想定の1.9倍にあたる2350億円への増額案を受け入れる方針を表明した。11月2日、西村康稔経済産業相と自見英子万博担当相が共同記者会見で明らかにした。
建設費については、政府と大阪府・市、経済界で3分の1ずつ負担することになっている。
万博の運営主体・日本国際博覧会協会は、円安による輸入資材の高騰や、建設現場の人手不足に伴う人件費の上昇により、会場建設費を当初から500億円上乗せして(約1.9倍)、最大で2350億円となる試算結果を、10月20日、政府と大阪府・市、経済界に報告していた。
大阪府・市と経済界(経団連、関経連など)は11月1日に受け入れる方針を決めており、政府の受け入れ表明を受け、増額案が正式に承認された。
これにより、3者の負担額は各約780億円となる。それぞれ167億円程度膨らむ。
西村氏は会見で「物価上昇のもと、(増額は)やむを得ない。再度の増額がないようにしていただくことが大切。着実に準備を進め、すばらしい万博になるように取り組んでいきたい」、自見氏も「国費を投入する以上、今後もコストダウンに努めることは当然の前提だ。労務費の上昇に関しては、適正な労働者への賃金を確保することが(自身の)責務」と述べた。
吉村洋文・大阪府知事も、「今回の増額で最後になるよう取り組んでほしい」と強く要請している。