東京パラ閉会式ピアニスト・西川悟平が送るエール 「闇が深ければ深いほど次に出てくる光は明るい」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

東京パラ閉会式ピアニスト・西川悟平が送るエール 「闇が深ければ深いほど次に出てくる光は明るい」

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 シンガーソングライターの川嶋あいがパーソナリティーを務めるラジオ番組『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(ラジオ関西、毎月第1・2週日曜午後5時〜)。11月12日の放送では、7本指のピアニスト・西川悟平さんがゲスト出演。東京パラリンピック閉会式出演後の心境などについて語った。

ピアニストの西川悟平さん

 15歳のころにピアノを習いはじめた西川さんは、24歳で世界的なピアニスト・故デイヴィッド・ブラッドショー氏に才能を見出され、単身ニューヨークへ。渡米後わずか2か月でリンカーンセンター・アリスタリーホールでのデビュー公演を飾った。

 しかし、アメリカでピアニストとしての活動を本格派させて間もない2004年、指に突如不調が現れた。診断の結果、神経系の難病「ジストニア」を発症していることが判明。医師からは「もう一生ピアノは弾けない」という非情な宣告を受けながら、想像を絶する苦悩のなか懸命にリハビリを重ね、左手2本と右手5本の合計7本の指での独自の奏法を編み出した。

 西川さんにしか生み出せない独特の音はアメリカをはじめ世界中で大きな脚光を浴び、2021年に開催された東京パラリンピックの閉会式では、162か国2億5千万人もの人々が見つめるなか、圧巻の演奏を披露した。

 西川さんの出演は今回が4回目。長いコロナ禍を「激動の4年」と表現しながら、「コロナのせいで失ったものもあるけれど、配信など、コロナのおかげで新たな発想を得たものもある」と振り返った。

 東京パラリンピックの舞台で演奏するという夢を叶えたあと、周囲の反応や自身の活動にどのような変化が生まれたかを尋ねられた西川さん。なんと、2024年度から小学3年生の道徳の教科書(学研)に掲載されることになったのだとか。西川さんにとっては驚きの出来事だったが、彼のこれまでの軌跡に触れてきた川嶋は「絶対に教科書に載せたほうがいいですよ」と納得の様子だった。

 現在、さまざまな悩みを抱えるリスナーに向けて、西川さんはこのようにメッセージを送った。

「『もう2度とピアノを弾けません』と言われて八方塞がりになり、『もうこれで人生を終わらせてもいいかも』と思ったこともあります。当時は絶望しかありませんでしたが、時間が経って振り返ってみると、あの出来事(ジストニアの発症)があったおかげで新しいドアが開いたんです。今つらい思いをしている方にも、必ず出口はあると思う。闇が深ければ深いほど、暗ければ暗いほど、次に出てくる光はさらに明るくなるので、しんどいときには『しんどい』と口に出していきましょう」(西川さん)

【この日のリクエスト曲】
ショパン『ノクターン オーパス9-2(夜想曲第2番 変ホ長調 作品9-2)』

ピアニストの西川悟平さん(写真左)、番組パーソナリティー・シンガーソングライターの川嶋あい(同右)

※ラジオ関西『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』2023年11月12日放送回より


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『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(パーソナリティ:川嶋あい)
【番組公式ブログ】



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