大阪・関西万博シンボル 世界最大級・木造リング「無駄遣い」なのか?…閉幕後保存、移設案浮上も | ラジトピ ラジオ関西トピックス

大阪・関西万博シンボル 世界最大級・木造リング「無駄遣い」なのか?…閉幕後保存、移設案浮上も

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 大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)で会場のシンボルとして建設されている環状のデッキ・大屋根(リング)について、閉幕後に現地で保存するか、移設する案が浮上している。

 当初は再利用(リユース・リサイクル)のために解体し、そのパーツを譲渡するなどの案を示していた。

建設中の大屋根(リング)<2023年11月27日午後 大阪市此花区・夢洲>
大阪・関西万博開幕500日を前に大屋根(リング)が報道陣に公開された<2023年11月27日午後 大阪市此花区・夢洲>

 大屋根には、環境への配慮や鉄骨使用時のコストとの比較などを鑑みて、日本国内のスギやヒノキ、ヨーロッパのアカマツを用いる。

水平に通した梁(はり)上部のすき間に楔(くさび)を打ち込む
梁(はり)を柱の”切り欠き(長方形の孔)”に差し込む、日本の伝統的な「貫(ぬき)」工法、京都・清水寺の舞台の懸造りにも通じる

 完成時のサイズは、建築面積(水平での投影面積)約6万平方メートル(甲子園球場の約1.5個分)、カーブが傾斜する「バンク」形状となっており、高さは内側12メートル・外側20メートル、直径が約650メートル、デッキの幅は約30メートル、1周すると約2キロメートルとなり、一般の建物なら3~5階建ての建造物だ。

完成後の大屋根(リング)外観 ※画像提供・日本国際博覧会協会
建設中の大屋根(リング)

 リングの建設は、会場の3つの工区で、それぞれ大林組、清水建設、竹中工務店がそれぞれ共同企業体(JV)を構成して担当する。木造構造部分の35%の着工が進み、すべてのリングがつながるのは2024年秋ごろの見込み。

リングスカイウォーク 完成イメージ ※画像提供・日本国際博覧会協会
会場内・北東工区で建設中のリングスカイウォーク

 「多様でありながら、ひとつ」という大阪・関西万博の理念を表現し、各施設に向かうための通路となり、 屋上には「リングスカイウォーク」と名付けられた展望できる歩道が設けられる。完成すれば、木造建築物としては世界最大級となる。
 「日よけ」としての機能もある。350億円とされる建設費に、国会で“世界一高い日傘”などと批判され、与野党の議論の的になっている。

リング内部 1階部分 ※画像提供・日本国際博覧会協会
建設中の大屋根内部
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