大阪・関西万博で、会場の人工島・夢洲(ゆめしま)の中心部に整備される「静けさの森」の植樹が12月5日に始まった。
「静けさの森」は、建設が急ピッチで進む会場のシンボル「大屋根(リング)」の内側に設ける。会場の喧騒の中、静かで落ち着けるゾーンにする。広さは約2.3ヘクタールで、甲子園球場の半分に相当する。
中心部には直径20メートルの池があり、来場者は小径(こみち)を散策したり、木陰で休憩したりできるように整備する。完成は2025年2月の見込み。
植樹される樹木は1500本を予定している(会場全体で2500本)。
1970年大阪万博が開かれた千里丘陵の会場跡地・万博記念公園(大阪府吹田市)や、1990年国際花と緑の博覧会(花博)が開催された鶴見緑地(大阪市鶴見区・大阪府守口市)、服部緑地(同豊中市)、大阪城公園(大阪市中央区)などで間伐(※)される予定の約1000本を移植。残りの500本は北関東や四国、九州からの移植を検討している。
この日の「移植第一号」は、万博記念公園のモチノキ(高さ約5メートル)。
今後、イロハモミジやアラカシ、クヌギなどが随時移植され、森が形成される。
「静けさの森」の設計・デザインを担当する大阪在住のランドスケープデザイナー・忽那裕樹(くつな・ひろき)氏は、「大阪・関西万博のテーマ『いのち輝く未来社会のデザイン』の“いのち”を支えるテクノロジーと対照的な、森や空、水といった自然を感じて、静かに“いのち”と対話しながら大切な人と時間を過ごす場所になれば」とコンセプトを語った。