文楽の「豊竹若太夫」を豊竹呂太夫さんが襲名 57年ぶりの名跡復活 「この名に恥じない精進を」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

文楽の「豊竹若太夫」を豊竹呂太夫さんが襲名 57年ぶりの名跡復活 「この名に恥じない精進を」

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 文楽の名跡「豊竹若太夫(とよたけ・わかたゆう)」を来年4月、太夫の豊竹呂太夫(とよたけ・ろだゆう)さん(76)が襲名することになり、このほど大阪市内で記者会見を開いた。若太夫の初代は江戸時代、竹本座と人気を分けた豊竹座の創始者。呂太夫さんの祖父、十代豊竹若太夫(人間国宝、1888~1967年)以来、57年ぶりの名跡復活で、呂太夫さんは「十一代目豊竹若太夫」となる。

「十一代目豊竹若太夫」を襲名する豊竹呂太夫さん

 会見場に豊竹座の紋が入った羽織姿で登場した呂太夫さんは「今日初めて着ました。震えております。この名に恥じない精進をしていきたい」と、真剣な表情で話した。

 呂太夫さんは大阪府岸和田市出身。豊かな声量、豪快な語り口で知られた十代が、家の2階で語りの稽古をしているのを聞いていたという。1967(昭和42)年、三代竹本春子太夫に入門、その後四代竹本越路太夫の門下に。2017(平成29)年、六代豊竹呂太夫を襲名、2022(令和4)年4月、切語り(重要なシーンを語る資格を持つ太夫)に昇格した。

羽織に入った豊竹座の紋を見せる呂太夫さん

 襲名披露公演は、国立文楽劇場(大阪市中央区)で2024年4月6~29日、シアター1010(東京都足立区)で同5月9~27日に開催する。演目は、初代若太夫が語って名を上げ、十代も襲名時に務めた「和田合戦女舞鶴」の「市若初陣の段」。大阪での公演としては59年ぶり、国立文楽劇場では初の上演となる。

 呂太夫さんは同演目について「すじは難解」だが、「最後の切腹の場面が聞かせどころ」と紹介。さらに今後の目標について「それぞれの役の音程をきっちり会得した上で個性を出していきたい。50数年かかって分かってきたこともある。まだまだ進化したい」と熱っぽく語った。

 襲名披露公演の問い合わせは国立劇場チケットセンター、電話0570-07-9900。

国立文楽劇場(大阪市中央区)
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