こちらをじっと見つめるタコや鳥といった生き物たち。もちろんこれも「切り絵」だ。超絶技巧と言われる切り剣Masayoさんの作品は、今にも動き出しそうな生命力にあふれている。陰影の他、花や模様なども切り出されており、細かい所まで見たくなる。
福井利佐さんは切り絵から生まれる影を映し出す作品を展示する。切り絵本体では見えなくても、影として写し出されると見えてくる部分があり、同じ作品でも違う表情に見えるのが不思議だ。
福岡県八女市出身の松原真紀さんは、地元の八女手漉き和紙を使った作品を制作する。季節の花や動物を1枚の和紙からデザインナイフで切り出す。平面作品だけでなくランプシェードやモビールなどの立体作品も。
そして、日本はもとより海外での個展も多い切り絵作家の第一人者・柳沢京子さんは、どこか懐かしさを感じるような題材を、その構図の妙と背景の組み合わせ、そして「切り方」によって、独自の世界を描く。
「7人のミューズ」はいずれも、「切ることが大好き」だといい、ナイフやハサミによって唯一無二の作品を「描いている」。同館の西山さんは「7人7様の作品は、切り絵の概念を覆されるものばかり。想像力を働かせてその表現を楽しんでほしい」と話す。