山本育海さん、母と二人三脚で難病『FOP』と闘う「すべての人に、光を…」京大iPS研から感謝状 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

山本育海さん、母と二人三脚で難病『FOP』と闘う「すべての人に、光を…」京大iPS研から感謝状

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会見する山本育海さん<2023年11月10日 明石市役所>

 免疫がほとんどない育海さんは、新型コロナウイルスに感染すると、身体へのリスクが非常に高い。ここ数年は母親の智子さんともども、まさに“命がけ”の生活が続いている。思うように街頭での募金活動ができなかった。

 でも、諦めたくない。「僕だけが、苦しんでいるんじゃない。さまざまな難病と闘う患者さんに、『明るい光』が見えたら、生きる希望が芽生えるかも知れない」。その光や希望が、最先端の研究による治療薬や治療法の出現だ。

「微力ながら、iPS細胞研究所を応援していきたい」。みんなと早く光を見出したい。願いはただひとつ。

育海さんの等身大パネルとともに募金活動をする仁川学院高校の生徒たち<2023年12月21日 兵庫県西宮市>
FOPとは何か、193募金はなぜ必要なのかを懸命に呼びかけた

■「何も知らなかった…」そこから始まるFOPへの理解

 そして、関西の高校生による活発な支援が頼もしい。12月21日には阪急電鉄・西宮北口駅、宝塚駅前(兵庫県西宮市・宝塚市)に育海さんの等身大パネルが登場、私立・仁川学院高校(兵庫県西宮市)の生徒らが難病研究の重要性を訴え、募金活動を行った。

 冷え込む西宮北口駅のペデストリアン・デッキ。最初は恥ずかしくて募金を呼び掛ける声が出せない。「どうしよう…」。しかし、募金を投じるが1人、2人と立ち止まるようになり、そんな心配はすぐに消えた。

「ありがとうございます!」生徒たちの声に張りが出てきた。その声が遠くまで聞こえるようになり、また1人、2人と募金の輪が広がっていく。

 仁川学院高では校内で3日間、この街頭募金で1日、生徒会が中心となって募金活動した。生徒会長の松原蓮空(れく)さん(2年・17)は、宝塚駅前に立った。「FOPがどういう病気なのか知らなかった。まずは知ることから始まった。そうしないと、募金の際に学校の友人や街行く人に説明できないから。そして、この活動で知ったのは“人の温かさ”。たくさんの人に支えられているんだと実感した」と話す。

 西宮北口駅では副会長の高橋光誠さん(2年・17)が、「治療への糸口はなかなか見つからないと聞いて、『育海さんは、さぞ苦しいのだろう』という先入観があったが、(11月に育海さんに会う機会があり)とても元気で前向きなところに強さを感じた。僕たちに元気をくれた」とほほ笑んだ。

 今年は、こんなエピソードがあった。12月になって、須磨学園(神戸市須磨区)の生徒会が、兵庫県立加古川東高校(兵庫県加古川市)の生徒会に募金活動の輪をつなぎ、急きょ、加古川東高校も、12月18~19日に校内で募金活動を行った。
 生徒どうしのつながりで、伝え聞いた生徒が、担当教諭に「193募金」の企画書を出して学校側の許可を取ったという。
 このような活動が来年度も継続できるように後輩に引継ぎ、「加古川市内のほかの高校の生徒会にも呼び掛けたい」との嬉しい言葉もあった。

 育海さんと高校生たちの思いが、街行く人々の共感を呼び、多くの募金となり、今年も全額を京都大学iPS細胞研究所に寄付した。

 4年ぶりに開かれた研究所からの感謝状贈呈式。寒い中、街頭で募金活動した高校生たちも招かれた。


【筋肉が骨になる難病(FOP)と闘う、いっくん(山本育海さん)のブログ】

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