山本育海さん、母と二人三脚で難病『FOP』と闘う「すべての人に、光を…」京大iPS研から感謝状 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

山本育海さん、母と二人三脚で難病『FOP』と闘う「すべての人に、光を…」京大iPS研から感謝状

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戸口田淳也 iPS細胞研究所 基盤技術研究部門 特定拠点教授から感謝状を受け取る山本育海さん「募金は実用化までの長く険しい道のりを走り続けるための大きな力に」<2023年12月25日午後 京大iPS細胞研究所>
iPS細胞、再生医療に少しでも興味を持ってもらえたら

■声をあげて初めて集まった募金、その積み重ねが…

 育海さんはFOPだけの解決、治療法の発見を望んでいるのではない。すべての難病治療に一筋の光が差してくれたら……それだけを考えている。「高校生の後輩たちが一生懸命頑張っている姿を見て、自分も頑張って生きなければ」と自らを奮い立たせる。

 智子さんは「寄付をしたから研究が進むのではなく、研究者の皆さんのたゆまぬ努力で患者の気持ちに応えようとする必死さで、それを見ている育海をはじめ患者が頑張ることができる。声を上げなければ、1円も集まらなかったこの募金。研究所のみなさん、どうか、募金活動をした高校生たちをねぎらってほしい。褒めてあげてほしい」と訴えかけた。

 この日も須磨学園(神戸市須磨区)の生徒が募金活動をするなど、参加した高校では「1日でも多く、1円でも多く」という思いが日増しに強くなっている。

少し照れる山本育海さん すぐそばで母親・智子さんが見守っている

 育海さんは母に向かって「智子さん」と呼ぶ。「僕自身が思うように動けないから、智子さんが走り回ってくれて、その先に支援者の皆さんがいて下さるからこそ、この難病に負けずに頑張れる」。

 お互いを尊重し合う姿は、単なる親子ではなく、FOPという難病克服のため、医学の飛躍的な進歩を願う目標に向かって歩むパートナーだ。

 育海さんと智子さんの二人三脚、気が付けば、高校生たちも医学界もあとに続いていた。

《進行性骨化性線維異形成症(Fibrodysplasia ossificans progressiva: FOP)》
幼少期から全身の骨格筋や筋膜、腱、靭帯などが徐々に硬くなって骨に変わり、このため手足の関節の動く範囲(可動域)が狭くなったり、背中が変形したりする疾患。特徴として、生まれつき足の親指が短く曲がっていることが多いという特徴がある。有病率は200万人に1人とされている。これまでのところ、この疾患に対し有効性が証明された治療法はない。

山本育海さんと対面した高校生たち<2023年11月10日 明石市役所>
高校生たちは募金活動を始めるに当たり、それぞれの抱負を語った

◇「193(いくみ)募金」に賛同し参加した高校(2023年)
兵庫~明石商業高、明石高、明石北高、明石城西高、明石南高、明石西高、明石清水高(以上明石市)須磨学園高、神戸常盤女子高、職業訓練校カレッジ・アンコラージュ(神戸市)、県立芦屋高(芦屋市)、仁川学院高(西宮市)、県立尼崎小田高(尼崎市)、県立加古川東高(加古川市~のちに募金活動に賛同、参加)
大阪~賢明学院高(堺市)


【筋肉が骨になる難病(FOP)と闘う、いっくん(山本育海さん)のブログ】

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