江戸時代の正月、大阪などで家々をめぐって披露されていた芸能「門付芸(かどづけげい)」の1つ「ちょろけん」。昭和の初めに再演されたちょろけんの資料を参考によみがえった迎春イベント「ちょろけんと大神楽」が1月2日(火)と3日(水)、大阪城天守閣(大阪市中央区)で開かれる。毎年恒例の催しだが、コロナ禍の影響で見送りが続き、開催は4年ぶり。
ちょろけんは、享保年間(1716~36年)、七福神の「福禄寿(ふくろくじゅ)」の張り子をかぶって現れたのが最初とされる。幕末には黒い帽子にひげを生やした張り子や、顔を描いた袋をかぶった者が、「ちょろが参じました」などと景気よく歌い、街を歩き回ったという。明治時代に入って廃れたが、昭和初め、上方文化研究者の南木芳太郎らによって復活、1933(昭和8)年の「大阪商工祭」で上演された。
迎春イベントでは黒帽子にカイゼルひげ、長い舌を出しおどけた表情のちょろけんが登場。相方の歌に合わせてちょろけんが踊り、にぎやかに新年を祝う。
2日は獅子舞、3日は伊勢大神楽講社の山本勘太夫社中による国指定の重要無形民俗文化財「伊勢大神楽」も披露される。イベントの観覧者には、同天守閣特製の「春夏冬二升五合大阪城(あきないますますはんじょうだいはんじょう)」と書かれた縁起の良い御札が贈られる。
両日とも午前11時と午後3時から大阪城天守閣前本丸広場で開催する。観覧無料、雨天中止。