冨田さんが住む、たつの市新宮町の栗栖地区では栗の木の植樹イベントがあり、大きく育った木からたくさんの栗が採れました。この大きくて立派な栗を使ってお店ができないかと考え、今のお店をはじめるに至りました。
同地域は、古くは栗栽培が盛んなことから「栗栖(くりす)」という地名が付いたという説もあるそうですが、現在は栗農家の高齢化などで、地域にいくつかあった栗園はほとんど見かけないとのこと。
ただ、冨田さんによると、栗の木がある家も多いためスーパーで買うというより、自宅でなったものや近所の方から分けていただくというのが、この地域では一般的なのだとか。地域住民にとって、栗は身近な存在であることがうかがえます。
年々収穫が減っている和栗、そして地元で採れる栗を、生産・加工・販売など、それに伴う雇用で地域を活性化させたいと、冨田さんは考えています。現在はたつの市の農林水産課や地元の農業従事者の協力のもと、遊休地で栗の植樹を始めているそうです。
「生産から販売までに5年~10年はかかると思いますが、栗の魅力やおいしさを伝えるため、多彩なバリエーションの商品をこれからも発信していけたら。」と、その思いを語ってくれました。SDGsの観点からも、『渋皮煮のプリン』は食材を無駄なく活用することや、持続可能な農業の推進にもつながっていると言えそうです。
※ラジオ関西『Clip』2023年12月19日放送回より
(取材・文=市岡千枝)