原作は、東野圭吾が1992 年に書いたミステリー小説です。主人公・久我を演じるのは重岡大毅。映画単独初主演です。劇団のトップ俳優・本多が間宮祥太朗、ほかの劇団員が、中条あやみ・岡山天音・西野七瀬・堀田真由・戸塚純貴・森川葵です。
監督は『荒川アンダーザブリッジ』『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』を手がけた飯塚健です。
今作は、俳優が“俳優”を演じる物語です。登場人物が相手の思惑を探る駆け引きをしたりオーディション参加者として演技を重ねたりと、複雑な会話劇が組み立てられています。このためキャスティングは慎重に行われました。主人公の久我を演じる重岡について、今作の大畑利久プロデューサーは「繊細な演技ができる」と起用する前からずっと気になっていたそうです。
「久我は周囲の人の行動や発言を“受け止める”難しい役。でも、重岡さんならこの役を演じることができると思ったんです」(大畑プロデューサー)
飯塚監督も同じように重岡の演技に注目していました。「重岡くんはアイドルではあるんですが、それをあまり感じさせない演技をする人という印象がありました。軽妙で飄々とやっているようで思慮深いですし、周囲への視野角も広い。相手を受ける演技に長けた人でもあると思います」と称えています。
撮影でムードメーカーだったのも重岡です。
「天真爛漫さにあふれ、共演者だけでなくスタッフさんにも気軽に話しかけて場のムードをつくってくれる。常に役に対して真剣ですし、新しいアイデアを常に出してくれるんだけど、ひとつの考えに固執しない切り替えの早さ、柔軟さもあるんです」(大畑プロデューサー)
監督によるとストーリーの設定が複雑なことから、シーンの意図とそれを踏まえた演技を確認するために撮影を止めて俳優たちと話し合いをすることが何度かありました。飯塚監督は公開に先立って行われたジャパンプレミアで、「俳優が俳優を演じるのは心に負担をかける作業だったはず。撮影中も一つ一つ疑問点を潰すために現場を止めてまでみんなで話し合いながら丁寧に作り上げた映画です」と胸を張りました。重岡は「1時間くらい現場で話し合ったこともあって、それは凄くいい時間でした。この作品はトリックが凄くて最高のトリックを最高の形で届けたかったから」と明かしました。間宮も「観客の方が少しでも『?』となったら、そこから先を信用してもらえない。その信用を勝ち取る努力をしなければと思った」と打ち明けています。
今作では同じ劇団に所属するメンバーの空気感をつくろうと、出演者の控え室をあえてひとつにしていたそうです。撮影の準備中、ゲームをしたり写真を撮り合ったりしてキャスト全員が同じ部屋で同じ時間を過ごすことでチームワークが出来上がりました。「そこでも“取りまとめ”的な役割を果たしていたのは、やっぱり重岡くんなんです」と大畑プロデューサー。
キャスト陣は同世代です。ジャパンプレミアのステージで重岡が「映画の中ではバッチバチでしたが、現場は最高に明るかった! 同世代は最高やな! ゴハンも食べたし、メッチャ話したし」と高笑いすると、間宮は「あなたを筆頭にね!」と鋭くツッコミを入れました。
重岡は、完成した映画について「物語の内容を知ってるはずなのに、すごく引き込まれました」と語っています。さらに「みなさん、僕らは本編では凄くバチバチしていますからね!」と重ねて強調。「全世代楽しめるサスペンス・エンターテインメントです。心を開放して思い切り楽しんでください!」と劇場での鑑賞を勧めました。
映画『ある閉ざされた雪の山荘で』は、1月12日(金)公開です。(SJ)
【予告映像】
◇映画『ある閉ざされた雪の山荘で』
※上映日程は、作品の公式サイト・劇場情報でご確認ください。
キャスト:
重岡大毅
中条あやみ 岡山天音 西野七瀬
堀田真由 戸塚純貴 森川葵
間宮祥太朗
原作:東野圭吾『ある閉ざされた雪の山荘で』(講談社文庫)
監督:飯塚健
脚本:加藤良太 飯塚健
音楽:海田庄吾
主題歌:『FICTION』(WEST.)
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2024映画『ある閉ざされた雪の山荘で』製作委員会 (C)東野圭吾/講談社