―――どんな人が持っていた?
【難波さん】 きっかけは女子高生でしたが、その後、日本全国の多くの学生の間で話題になりました。私自身も小学生のころに使っていましたし、本当に幅広い世代で使われていたのだと思います。なかには、マジソンバッグをサブバッグとして指定する学校もあったそうです。
現在の天皇陛下が皇太子でいらっしゃったころに、マジソンバッグを使ってくださっていたそうです。皇室の方は宣伝ができないため、ロゴの入っていない特注のマジソンバッグのご注文をいただきました。
―――販売数は?
【難波さん】 これまでにオリジナルの正規品で1000万個、類似品を含めると2000万個を超えるヒット商品になりました。当時の人口が1億人ほどなので、単純計算で5人に1人がマジソンバッグを持っていた、ということになります。
発売開始から10年ほど経過した1980年代前半ごろには多くの人にマジソンバッグが行き渡り、飽和状態になったことでブームは徐々に落ち着いていきました。
☆☆☆☆☆
現在は権利の関係から販売を終了していますが、当時製造されていた貴重なマジソンバッグは「世界のカバン博物館」(エース株式会社)内に展示されているそうです。
今後、“第2のマジソンバッグ”と呼ばれるようなブームを起こす通学カバンは登場するのでしょうか。そんなトレンドを追いかけてみるのも良いかもしれませんね。
※ラジオ関西『Clip』2024年1月4日放送回より
(取材・文=濱田象太朗)