阪神・淡路大震災から丸29年となる1月17日を前に、震災を経験した神戸の2社が14日(日)、三宮で1日限りのポップアップ『おむすびの輪』を実施します。おむすびを食べながら震災の体験や教訓を語り、未来に継承しようと開催されるものです。
『おむすびの輪』を共催するのは、のりの加工・販売などを手がける株式会社菊屋商店(神戸市東灘区、以下 菊屋商店)と米専門店の株式会社いづよね(神戸市灘区、以下 いづよね)です。震災から29年。甚大な被害が生じた神戸・阪神地域でも未災者が半数以上になったなか、1.17を風化させないようにと企画されました。
菊屋商店の代表取締役社長・三木麻差子さんによると、同社は震災時、重さ10キロ以上になるのり箱が崩れ落ちるほどの揺れを経験しました。そして「ライフラインが全てストップする中、温かいお茶を飲みながらごはんを食べたとき、緊張がほどけていくのを感じた」のだそう。「その際、創業者が『ご飯とのりがあったら生きていける』と話していたことを今も思い出す」といいます。
一方、いづよね代表取締役川崎恭雄さんは、「震災当時、お店が鉄道の高架下にあり橋脚が落下、全壊しました。その時に避難所に届いたおむすびなどを食べたときの感謝と感動は未だに忘れられません」と当時を振り返りました。
ポップアップは、三宮中央通りの「まちなかコンテナハウスmulti-BASE」を会場に、おむすび200個(一つ100円、税込)の試食販売を行います。米は兵庫県香住産のコシヒカリ「かにのほほえみ」を、のりは須磨のりの新のりを使用。“未災世代”いわれる18歳以下の人には、須磨のり(新のり)のプレゼントも用意します。
開催時間は午前11時から午後2時まで。当日の利益は、地元の公益財団法人を通じて震災に関わる事業に寄付するとしています。
三木さんは、「震災の経験を風化させないこととともに、あの時“ごはん”から感じたものをぜひ皆さんに体験していただければ」、川崎さんは「この企画を通じて、改めて阪神淡路大震災で得た教訓を次の世代に伝えていきたい」と語りました。
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「震災から29年。おむすびから伝えたい『おむすびの輪』」
日 時:2024年1月14日(日)11:00~14:00
場 所:三宮中央通り「まちなかコンテナハウスmulti-BASE」
兵庫県神戸市中央区大丸神戸店北東出口、スクランブル交差点そば
内 容:おむすびの試食販売(200個)100円(税込)
来場した未災世代(18歳以下)に須磨のりの新のりをプレゼント。
※売上げの利益が、神戸新聞厚生事業団を通じて震災に関わる事業に寄付されます。