「認知症の祖母と奈良で見たササユリが重なって」 歌手・Pii 新曲に込めた思いを明かす | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「認知症の祖母と奈良で見たササユリが重なって」 歌手・Pii 新曲に込めた思いを明かす

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 3人組バンド・Awesome City ClubのPORINとしてボーカル・シンセサイザーを担当しながら、ソロ活動も行っている歌手・Piiがラジオ番組に出演。音楽活動を始めた経緯や、2023年にリリースした新曲『ササユリの花の薄化粧』に込めた思いを語った。

Awesome City ClubのPORIN(写真左)、DJ KOO(同右)

 2015年にデビューした、男女ツインボーカルの3人組バンド・Awesome City Club。2021年に公開された映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソング『勿忘』は、関連動画を含めストリーミング再生回数1億再生を記録。第63回日本レコード大賞では優秀作品賞を受賞した、注目のアーティストだ。同バンド内でボーカル・シンセサイザーを担当しているPORINは、ソロプロジェクト・Piiとしても活動している。

 自身にとって初めての音楽体験は、「8歳のとき、ピアニストのリチャード・クレイダーマンのコンサートに行ったこと」だと話し、当時を振り返った。

「母にお願いして連れて行ってもらったリチャード・クレイダーマンのコンサートでは、公演後、ステージ上で本人と交流できる時間があって、私も母とステージ上に上がったのですが、そこでリチャード・クレイダーマンご本人から手の甲にキスされたんです! 今考えると、あれが初恋だったかもしれません(笑)」(Pii)

 中学生になると、BUMP OF CHICKEN、RADWIMPS、チャットモンチーなどのバンドから影響を受け、自身もプロを目指すように。大学生のころには、毎日1人で路上ライブを行っていたという。

 その後、2015年にAwesome City Clubとしてデビュー。現在、Piiとしてソロ活動にも精力的に取り組んでいる彼女は、ソロ活動ならではの楽しさについてこのように語った。

「(ソロ活動は)『いま自分は何を考えているのか』『何を世の中に訴えたいのか』(という)、自分のパーソナルな部分を深掘りして具現化する作業だと思っています。自分のことって、1番分からないじゃないですか。だから自分を理解する機会でもありますし、作業を通して自分を知ることができるので、それが楽しいです」(Pii)

 そう語るPiiは、2023年に新曲『ササユリの花の薄化粧』をリリース。この曲を作った背景には、大好きな祖母の存在があったのだそう。

「2023年に祖母の認知症が始まったんです。私にとってはショックな出来事だったんですが、実際に会ってみると本人はすごく楽しそうで、少女のように可憐で可愛くて。私たちにとっては悲しいことでも、本人からすればそうではないのかなと(感じた)。この気持ちを曲にしたいと考えていたときに奈良県へ行く機会があったんですが、そこでササユリの花を見かけたんです。ササユリの淡いピンクのグラデーションを見ていたら、それがなんだか祖母のように見えて……。祖母の記憶が淡くなっていっても、変わらず可愛くて変わらない愛情はある。そんな祖母とササユリの花が重なって、この曲ができました」(Pii)

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