想像上の生き物「リュウ」の多彩な標本! 新春ミニ展示「辰年展」 大阪市立自然史博物館 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

想像上の生き物「リュウ」の多彩な標本! 新春ミニ展示「辰年展」 大阪市立自然史博物館

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 今年の干支「辰」に合わせた「新春ミニ展示『辰年展』~竜にちなんだいろいろな生き物たち~」が大阪市立自然史博物館(大阪市東住吉区)で開かれている。「タツ」や「リュウ」に関連するさまざまな動植物の標本が並び、展示を担当した学芸員は「タツやリュウは想像上の生き物だが、古くから神話や伝説に登場し、信仰の対象や権威の象徴として人々の生活とも関わってきた。ある程度共通したイメージがある」とひもとく。

大阪市立自然史博物館

 タツノオトシゴの仲間「タカクラタツ(ヨウジウオ科)」は、日本沿岸域に広く生息。展示されている標本は、大阪湾の底引き網漁で採集された。細長い口、ごつごつとした体、長い尾が特徴的だ。タツノオトシゴの仲間は、ウロコが変化した骨板で体が覆われていて、魚とは思えないような外見から「龍の落とし児」と呼ばれるようになったとみられる。

 リュウの皮膚のような模様、尻尾のような細長い突起で「ドラゴン」の雰囲気を持つのは「ホソオチョウ(アゲハチョウ科)」。英語名は「Dragon swallowtail butterfly」、中国大陸に分布するが、外来種として国内にもいる。

タカクラタツ(ヨウジウオ科)
ホソオチョウ(アゲハチョウ科)

 その名も「リュウノヒゲモ」は、ヒルムシロ科の植物。糸のように細長い茎や葉を「竜のひげ」に見立て、名付けられたという。沼などの水中で、葉が髪の毛のようにたなびく。

 岡山県下津井沖海底から採集されたトウヨウゾウの下アゴのレプリカ「竜骨」も展示。かつてゾウなどの化石は竜骨と呼ばれ薬として使われ、正倉院宝物としても保存されている。1811年、医師の小原春造が竜骨の正体をゾウの歯や骨であることを明らかにした。

リュウノヒゲモ(ヒルムシロ科)
竜骨(ゾウなどの骨)

 同館の松井彰子学芸員は「タツやリュウとして思い描くのは、顔に長いひげが生え、体は細長く、全身に鱗(うろこ)をまとっている、爬虫類的な生き物といったところでしょうか。華やかで美しい姿のもの、神秘的なイメージのある生き物が多いように思います。『どこが龍っぽいんだろう?』『なぜドラゴンという名前が入っている?』と楽しみながら標本を見て、生物の姿かたちや生態に興味を持つきっかけとなれば」と話している。

 展示は1月28日(日)まで。

◆新春ミニ展示「『辰年展』~竜にちなんだいろいろな生き物たち~」
会場 大阪市立自然史博物館 本館1階
(〒546-0034 大阪市東住吉区長居公園1-23[長居公園内])
日程 2024年1月5日(金)~28日(日)
時間 9:30~16:30(入場は16:00まで)
観覧料 常設展入館料、大人300円、高大生200円
問い合わせ 大阪市立自然史博物館 電話06-6697-6221
大阪市立自然史博物館 公式HP

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