アルノー氏はまた、「日本の建設業者が用いる一般的素材を使用しつつ、個性的なパビリオンに仕上げたい」と話す。土台はコンクリートブロックを用いる。
ファサード(外観)のパネルもコンクリート使用だが、接合部は解体して再利用できるようにする。
そして、パビリオンの屋根は1千平方メートルもある。来館者を雨や熱から守るため、独自で開発した膜屋根を使う構造とした。仮に木材を使うと重さが20~30倍にもなるという。
さらに、接合部は接着剤を使わず、スクリューやストラップを使い、解体しやすくした。
2027年、日本とルクセンブルクは外交関係樹立から100年を迎える。アルノー氏は、「ルクセンブルクは、とても小さい国。しかし人、モノの多様性に富んでいる。人々はオープンで前向き、革新性や想像性も強い。素晴らしい文化を持ち、日本との共通点も多く、アジア各国のなかで最も近い国と認識している。大阪・関西万博を通じて、さらに緊密な関係を築きたい」と抱負を語った。
【ルクセンブルク】 世界で唯⼀の「⼤公国(※)」で、ベルギー、ドイツ、フランスに囲まれている。⾯積は約2586平方キロメートル(日本の神奈川県とほぼ同じ)、⼈⼝は約65万7千人(2023年6月現在、IMFのデータによる)。
国⺠⼀⼈当たりの GDPは世界⼀位と、豊かな国として知られる。また、⾦融や ICTなどの基幹産業に加え、最近では宇宙やバイオなどの分野でも発展を遂げている。
⾸都ルクセンブルク市の古い町並みと要塞群はユネスコ世界遺産に登録された。このほか美⾷の都として、国⺠⼀⼈当たりのミシュランの星の数は世界⼀とされる。
※大公国~君主制国家の一つ。王が君主の「王国」ではなく、大公や公爵が治める国家