ある日、『バズろぅ!』調査隊から寄せられた、「駅のホームに線路側と反対を向いているベンチがあるのですが、なんでですか?」というメッセージ。早速現場に向かってみました。
JR宝殿駅のホームに行くと、確かに、線路に背を向ける形で設置されたベンチがありました。座ってみると、線路に背を向けているからかホームにいる感じがしません。目の前には大きなクスノキがあり、さらにはポカポカと太陽の日差しがあたることから、まるで公園のベンチに座っているかのようなのどかさ。
ベンチに座ってみた結果、「景色や雰囲気を味わってもらうためのちょっとしたサービス心から、この向きに設置したんとちゃうの?」と思ったりもしましたが……。
皆さんもご存知の通り、最近のホームのベンチは、線路に対して垂直、つまり線路側を向いていた従来よりも90度角度を変えて設置されています。
これは、線路側を向いたベンチに座っていた酔っ払いの人が、立ち上がってそのまま前に向かってフラフラと進み線路に落ちてしまう事例があったため、転落事故防止を目的に設置された角度です。
しかし、JR宝殿駅のベンチはさらに90度回転した、線路を背にした設置位置。一体なぜなのか? 駅員さんに尋ねてみました。
駅員さんによると、“ホームの広さ”が関係しているんですって。なんでも、線路に対して垂直にベンチを設置するにはある程度の広さが必要になるのだそう。
しかし、それほど広くない宝殿駅のこのホームでは垂直位置での設置が難しかったため、線路に背を向けることで転落防止にしているといいます。